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Aside





ふと、そこで降谷が唐突に話し始めた。





降「俺は現場にいなかったから証言はできない。できないが、Aが命を狙われていたことは断言しよう」


伊「命を狙われていた……?」


降「確かに俺とAは行動をともにすることがあった。その時、Aが殺害されそうになったことがある」





間違えて俺が死にそうになったけれども。


降谷はそう笑って付け加えたが、笑えない冗談だ。


さらに降谷はなにか言葉を紡ごうとしたが……。


勢いよく扉が開き、白鳥刑事が入ってきた。





後ろに風見刑事を引き連れて。





風「降谷さん、お迎えに来ましたよ」





降「ずいぶんと遅かったな」





降谷は無表情な部下に向かって愚痴をもらす。


おそらく突然の降谷の取調べということに、公安も対処しきれなかったのだろう。


今頃になってようやく風見刑事が迎えに来たということだ。


白鳥刑事が彼の手錠を外し、降谷はやれやれと手首を擦る。


そして私を見下ろし言った。






降「頑張れよ」






傍から見れば嫌味に聞こえるかもしれない。


しかし違う。


頑張れというのは、取調べの時間を少しでも伸ばせということだ。


その間に公安で出来る限りのことは庇ってやるから。


そういう意味だ。


私は微かに頷く。


そして降谷が出ていくのをじっと見つめていた。






伊「A、命を狙われていたということについて説明はできるか」



『うん。父は最初、愛人の子供である私を殺そうとしていた。

けれども今となっては唯一の血縁の子供、つまり跡継ぎになることに気づいて連れ戻そうとしている』



目「なるほど……」






目暮警部が唸る。


どれもこれも、私の発言ばかりで裏付ける証拠はない。


元刑事だとしても信じようもない話ばかりだ。


取調べ室が凍てつく中、また扉がノックされた。


今度入ってきたのは千葉刑事だった。


どうやら彼は走ってきたようで息が切れている。





千「目暮警部っ!」


目「どうした」







千「Aさんの無実が証明されました」

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白ウサギ(プロフ) - まなさん» ありがとうございます!励みになります。頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします (2020年12月15日 17時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - めっちゃ面白くて1話から一気読みしてしまいました!これからも更新頑張ってください!楽しみに待ってます! (2020年12月15日 14時) (レス) id: 0c8a00fae9 (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - 毬莉さん» コメントありがとうございます!絶対松田さんは待ってくれると思います! (2020年10月4日 14時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
毬莉 - 陣平のこと大好きです!こんなに手が汚れてしまった私でも待っててくれる彼は最高です!更新頑張ってください! (2020年9月29日 0時) (レス) id: 6812348321 (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - ありがとうございます。更新頻度は少なくなりますが、頑張ってきいきます (2020年9月26日 1時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白ウサギ | 作成日時:2020年8月14日 15時

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