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Aside
伊「はははっ、安心したよ」
「『………?』」
降谷と共に、いきなり笑いだした伊達をみる。
彼は本当におかしくてたまらないという様子で笑っていた。
松田も萩原も、相槌をうちながら同じように笑う。
わけがわからないのは、どうやら私と降谷だけだった。
伊「いやあ、すまん。からかっただけだ。俺たちは別にお前らが今までどこで何をしてたのか問い詰めるつもりは無いよ。
それなのに慌ててお互いに罪を擦り付けるんだから、面白くてつい……」
白状した伊達は、その後もくくっと声を押し殺して笑う。
松田がサングラスを外し、煙草の火を消した。
萩原もそれにならう。
松「要するに、俺たちの言いたいことは、
お前たちが生きてればいいってこと」
萩「そーそー。どこで何をしてようが、悪いことをしてようが人殺していようが、可愛い子ちゃんと寝ていようがどうだっていいのさ。
親友が生きてればそれで」
伊「諸伏がいないが、元気にしてるんだろ?」
『………うん』
頷けば、照れ隠しのように松田はまたサングラスをかけてしまう。
その背を伊達が盛大に叩いて茶化した。
降谷が優しく微笑む。
私も一緒に笑みを浮かべた。
どこで何をしようと、人を殺そうと。
親友であることに変わりはない。
私と降谷と諸伏が、どれだけその言葉に救われただろうか。
この世界のどこを探しても、きっとこれほど寛容な友達を一生見つけることはできないだろう。
降谷がボソリと呟く。
降「俺たちは幸せ者だな」
『そうだね』
私たちは幸せだ。
幸せを貰っているから、
死なせる訳にはいかないのだ。
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白ウサギ(プロフ) - まなさん» ありがとうございます!励みになります。頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします (2020年12月15日 17時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - めっちゃ面白くて1話から一気読みしてしまいました!これからも更新頑張ってください!楽しみに待ってます! (2020年12月15日 14時) (レス) id: 0c8a00fae9 (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - 毬莉さん» コメントありがとうございます!絶対松田さんは待ってくれると思います! (2020年10月4日 14時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
毬莉 - 陣平のこと大好きです!こんなに手が汚れてしまった私でも待っててくれる彼は最高です!更新頑張ってください! (2020年9月29日 0時) (レス) id: 6812348321 (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - ありがとうございます。更新頻度は少なくなりますが、頑張ってきいきます (2020年9月26日 1時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白ウサギ | 作成日時:2020年8月14日 15時