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松田side






煙草など吸っている余裕はなかった。


目の前に座った車の窓から見える、懐かしい横顔。


サングラス越しに見る彼女の顔は、いくぶんか険しく鋭く見えた。


手錠がされた彼女を車から降ろす降谷から、


愛しい恋人を強引に奪い取る。







『……久しぶり、陣平』






心底会いたくなかったと、そんな声色だった。


痩せた体を腕いっぱいに抱きしめる。


苦笑いの彼女の笑顔。


自分よりも低い肩に、顔を埋める。







松「お前が会いたくなくても、俺は会いたかった。ずっと」





ずっと。








『泣いてるの?』


松「はっ」






泣くほど嬉しいに決まってるだろう。





唇を噛み締める俺の頭を、Aが優しく包み込む。


そうだこの匂いだ。


優しさに溢れた匂い。


サングラスが地面に落ちる。


震える声で何とか言葉を紡いだ。







松「おかえり、A」





「「おかえり」」





我慢できなくなった伊達と萩原が、俺とA二人ごと抱きしめるように飛んできた。


いい歳した男三人がごぞって泣くのを、Aは笑いながらなだめる。


後ろで降谷がやれやれと首を振り、


佐藤と高木達がそっと見守っていた。







『ただいま、みんな』






殺人容疑をかけられている俺の彼女は、


ふわりと太陽のように微笑む。


伊達と萩原とあらかじめ話はしてあった。






ガシッと、萩原と共にAの腕を掴む。






『ん?感動の再開だよ。何か不穏じゃない?』






松「当たり前だろう」


萩「友人でも殺人容疑をかけられてる人だからね」


伊「逃がすわけにはいかない」






『……はは、降谷助けて』





降「グッドラック」






振り向けば、片手を上げて微笑んでいる降谷。


今にも車に乗ろうとしている。






萩「伊達!逃がすな!」


伊「当たり前だ」






降「いっ!?」






伊達が華麗に車のボンネットを飛び越え、運転席に潜り込もうとする降谷の首根っこを掴む。


ニヤニヤとする俺たちに、二人は恐る恐る顔を見合わせた。







松「逃がすわけないだろう。


何年も顔見せないわ、連絡寄越さないわ……。


Aは殺人容疑で、


降谷は重要参考人として、





強制的に事情聴取だ」

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白ウサギ(プロフ) - まなさん» ありがとうございます!励みになります。頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします (2020年12月15日 17時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - めっちゃ面白くて1話から一気読みしてしまいました!これからも更新頑張ってください!楽しみに待ってます! (2020年12月15日 14時) (レス) id: 0c8a00fae9 (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - 毬莉さん» コメントありがとうございます!絶対松田さんは待ってくれると思います! (2020年10月4日 14時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
毬莉 - 陣平のこと大好きです!こんなに手が汚れてしまった私でも待っててくれる彼は最高です!更新頑張ってください! (2020年9月29日 0時) (レス) id: 6812348321 (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - ありがとうございます。更新頻度は少なくなりますが、頑張ってきいきます (2020年9月26日 1時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白ウサギ | 作成日時:2020年8月14日 15時

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