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Aside
諸「A……俺は、確かに胸を……」
諸伏は信じられないという目で自分の胸を見つめた。
確かにその胸は血に塗れている。
しかし風穴が空くどころか傷一つついていない。
同様している彼は気づいていないようだった。
もちろんそれは降谷も同じである。
『ただのペイント弾だよ。赤色のね。こんな暗い夜じゃ普通の赤でも血に見えるものよ。気が動転していたのなら尚更ね』
諸「でも、携帯は……!?」
そう、諸伏の携帯は壊れていた。
一発の銃弾に撃ち抜かれて。
ふふんと笑う私に、赤井がはっとなにかに気づいたような表情をした。
そして、感心のため息を漏らす。
赤「そうか、携帯は最初から壊れていたんだな。だから俺に"スコッチに携帯を触らせるな"という命令を下したわけか」
『そういうこと。署の駐車場で会った時にすり替えたの』
赤「全て計算済みだったか」
赤井は納得したようだが、諸伏は未だに信じられないという目でこちらを見ている。
これは私にしか出来ないことだ。
未来を知る私にしか。
ふらふらと立ち上がる諸伏に手を差し伸べ、そのまま勢いよく手を引いた。
彼の体がこちらに倒れ、押し倒され私の体も倒れ、
赤井に二人揃って寄りかかる。
諸「うわっ」
赤「おっと」
『……ふふっ』
彼らの温かい体温に笑みがこぼれる。
この温みが、諸伏が生きている証だ。
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白ウサギ(プロフ) - まなさん» ありがとうございます!励みになります。頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします (2020年12月15日 17時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - めっちゃ面白くて1話から一気読みしてしまいました!これからも更新頑張ってください!楽しみに待ってます! (2020年12月15日 14時) (レス) id: 0c8a00fae9 (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - 毬莉さん» コメントありがとうございます!絶対松田さんは待ってくれると思います! (2020年10月4日 14時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
毬莉 - 陣平のこと大好きです!こんなに手が汚れてしまった私でも待っててくれる彼は最高です!更新頑張ってください! (2020年9月29日 0時) (レス) id: 6812348321 (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - ありがとうございます。更新頻度は少なくなりますが、頑張ってきいきます (2020年9月26日 1時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白ウサギ | 作成日時:2020年8月14日 15時