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Aside






降「力がゴリラ並みに強いもんで手こずったよ」






笑顔でさらっと毒吐く金髪の腕をおもいっきり叩く。


両手に手錠をかけられているのでカシャリと音が鳴った。


おそらく松田と電話をしているのだろう。


通話を切った彼は私の口にはられたガムテープを剥がし、ざまあみろと言わんばかりに笑った。





降「悪いな、そんなボロボロの姿で彼氏に引き渡すことになって」


『誰のせいよ』


降「お前が暴れるからだろう」





ぼさぼさの髪とほつれた服。


手錠をかけられた後、車に乗せられるのにそうとう私が暴れたのだ。


意地でも警察に戻りたくなくて。


おかげで揉み合った降谷もだいぶボロボロである。


警察署へと向かう見慣れた道が視界にうつる度、私は盛大なため息を漏らした。






降「そんなに会うの嫌なのか?」


『嫌よ。だって"次会うときは五人揃った時"なんて言っちゃったし』


降「そういえばそうだったな」


『まあ諸伏は海外にいるから無理だけどね』


降「あ、そうだ。ヒロの連絡先教えろよ。携帯壊れたから連絡先も変わっただろ」


『それじゃあこの手錠をほどいて携帯をいじらせてください』


降「馬鹿野郎」





赤信号で車が止まると、降谷は慣れた手つきで私のポケットから携帯を盗み出した。


当たり前のように画面を開き、連絡先を漁りヒロと思われし人物に通話をかけ始める。


どうやらスピーカーにしたようだ。


程なくして諸伏の声が聞こえてくる。






諸「もしもし、どうしたA」





降「やあヒロ。死んだんじゃなかったのか?」




諸「え、生きてるよって……ゼロか!?」





驚く諸伏の声。


ゼロは安堵した表情を浮かべながらも、それを悟らせまいと諸伏をおちょくる。





降「今海外にいるんだってな。証人保護プログラムか?新しい名前は何にするんだよ」


諸「ああ、緑川光にすることにした」


降「珍しい名前だな」


諸「迷ったんだがな。一緒に決めてくれた人が……」






ぎょっとしてそこで私は思い切り降谷を殴った。


正確には携帯を手錠された手で奪おうとしたら、肘で彼の頬をどついてしまった。


痛っ、と降谷が怒りに満ちた声でうめき、何とか私は携帯を奪取する。


と同時にスピーカーを切った。






諸「あれ、Aに変わったのか?」


赤「なんだ、ビショップもいるのか」






電話越しから赤井の声も聞こえてくる。


すんでのところで携帯を奪ってよかったと思った。

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白ウサギ(プロフ) - まなさん» ありがとうございます!励みになります。頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします (2020年12月15日 17時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
まな(プロフ) - めっちゃ面白くて1話から一気読みしてしまいました!これからも更新頑張ってください!楽しみに待ってます! (2020年12月15日 14時) (レス) id: 0c8a00fae9 (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - 毬莉さん» コメントありがとうございます!絶対松田さんは待ってくれると思います! (2020年10月4日 14時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
毬莉 - 陣平のこと大好きです!こんなに手が汚れてしまった私でも待っててくれる彼は最高です!更新頑張ってください! (2020年9月29日 0時) (レス) id: 6812348321 (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - ありがとうございます。更新頻度は少なくなりますが、頑張ってきいきます (2020年9月26日 1時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白ウサギ | 作成日時:2020年8月14日 15時

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