元暗殺者はFBI！？３【暗殺教室×名探偵コナン】

９９話 ページ9

ASide





『とまあ、こんな感じに二年間過ごしてました』





顔を上げると、目を白黒させているみんなと視線があう。


やだな、そんな見つめないで。


なんて冗談が言えるはずもなく。


ただ冷や汗だけが背筋を伝っていった。






赤「…………とりあえず、突っ込みどころが満載なんだが」


カ「突っ込まずにはいられないよね」


磯「もうなんと言えばいいのやら………」


コ「よくそんな無茶振りを…………」


『あはは…………』






咄嗟に苦笑いを浮かべる。


だか、一人だけ顔を強張らせる者が。


ギギギと音がしそうな首を曲げて、そちらの方向を見る。


そこには睨む、というよりかは驚いて口をパクパクさせている安室さんがいた。


金魚みたいだったのは言わないでおいた。







安「A、君が………スコッチ、ヒロの妹………？」


『…………ソウデース』







気まずい雰囲気が漂う。


亡くした親友の妹が目の前にいるのだ。


動揺しないのならきっとサイコパスだ。


ふらりと幽霊のように近寄ってくる安室さん。


その瞳は私を見ているようで見ていなかった。


私の面影にある兄を見ているのだ。






安「そっか。君が、君が………………」






私の頬が彼の大きな手に包まれる。


少し冷たい手は震えていた。


言葉は途切れて紡げなくなる。


耐えきれなくなった涙が零れ落ちた。


それをそっと拭ってあげる。





『兄は貴方のような親友を持って、幸せだったと思いますよ』


安「……………ありがとう」






そう微笑んだ安室さんの笑顔は、


月夜に照らされ、儚く美しく輝いていた。

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