やり直せるのなら。【名探偵コナン】

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暗い、暗い、暗い。


そんな世界でもがいていた。


一筋の光が差し込んで、そこから手が差し伸べられた。


握るその手は温かく、大きい。




？「絶対に離すなよ」



誰？誰なの？


その問に答えてくれる声はない。


ただ光が眩しくなっていって、やがて光に飲み込まれていく。









？「……………、A、A！？」



『………………ーーーーー』





ぼやけた視界で見える影。


それはまぎれもない降谷だった。


ただどうしてだろう。


声を出そうとするものの、息が漏れるだけだ。


だがその僅かな動きに気づいた彼は、ぱっと笑顔になる。





降「A！今救急車呼ぶから」




だんだんと見えてくる視界。


ここは警察学校なんかではなくて…………私が殺された、ジンに追い詰められた場所だった。


私は死んでなかったということ？


身体は動かない。


けど意識があり、考えることもできるということは脳みそはぶち抜かれていないのだろう。


どういうことだろう。


松田は？萩原は？諸伏は？伊達は？


全部走馬灯の一部だったというの？






降「もう少しで救急車来るから、頑張って」


『…………ーーーーーっ』


降「喋るな、血が…………」






ああそうか。


ここにいるのは"降谷"じゃなくて"零"なんだ。


ホッとする反面、喪失感は隠しきれない。







『…………………れ、い』


降「っ！なんだ？」


『ーーーーー零は一人じゃない、よ』






遠くで救急車のサイレンの音が聞こえる。


いい終えた私は、そこで意識を手放した。

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