やり直せるのなら。【名探偵コナン】

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ASide




バイクを飛ばして約30分。


どこかの潰れた工場に到着した。




『ここがアジト？』


ベ「違うわ。アジトはもっと綺麗で広いわよ」


『へー……………』





アジトなんて行ったことがない。


酒の呼び名を貰って幹部になっても、


ジンに呼び出されるのはいつもこういった廃工場だったのだ。


扉を開ければ、重たい音が響き渡る。






ジ「………………遅かったな」


ベ「時間通りよ」





久しぶりのジンだ。


相変わらず目つき悪いし、髪長い。


側にはウォッカ、コルン、キャンティがいる。


初期メンバーといったところか。





キ「で？そいつが新しい奴かい？」


ベ「ええ」


ジ「……………」




いきなりジンが銃を向けてくる。


ぴしっと空気に亀裂が入るのがわかった。


ベルモットが慌てている。


けど私は動かない。


逆に彼を睨み返す。





『……………何？』



ジ「…………………名前は」



『言う訳ないでしょ、馬鹿なの？』






ウォッカが冷や汗を拭った。


そりゃそうだ、ジンに真っ向から歯向かってるのだから。





ジ「チッ…………」





舌打ちをしながら銃を下ろす。


ジンは私を余程のことがないと殺さない。


そう確信していた。


"お前だけは殺したくなかった"


彼の最後の言葉が引っかかるのだ。





ジ「ビショップ」


『え？』


ジ「それがお前のコードネームだ」





ビショップ。


赤ワインをベースにオレンジジュースとレモンジュース、砂糖をアレンジしたものだ。


どっしりとした飲みごたえのあるカクテルだ。


チェスでいえば斜めに進める駒だ。


え、というか名前貰えるのって幹部だよね？


今日入ったばっかの新人に？名前？





キ「なんでこいつはもうコードネーム貰えるんだよ？」





キャンティ、突っ込みありがとう！


コルンも不屈そうだ。





ジ「こいつの実力は俺が知ってる」


『え………………？』


ベ「何故貴方が知っているの？」


ジ「ふん、教える義理はない。ウォッカ、帰るぞ」


ウ「え、兄貴！」




慌ててジンを追うウォッカ。


彼もジンに振り回されて大変だね。





ベ「puppy、ジンにあったことがあるの？」


『…………ない、と思うけど』









コ「ビショップ………………似てる」


『え？』





え、コルンが喋った。


それよりも似てるって？


私が、誰に？






コ「レディに似てる」





……………レディって誰？

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