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ASide



こっそり警察学校に戻ってきて、自分の部屋の扉を開ける。


…………幻覚でも見ているのかな?


私の部屋でたむろっている五人の姿が見える。





萩「あ!ようやく帰ってきた!」


伊「どんなけ飲んだんだよ」


諸「本当だ、お酒臭い」






『…………いや、なんでいるの?』





松「なんでって、いたいから」


降「Aが中々帰ってこなくて心配だったんだよ」






なんていう彼らを前に、呆れて言葉もない。


それと同時に嬉しさも感じる。


酔と睡魔と安心感に腰が抜けた。


意識しなくても笑いが溢れる。






『………は、ははっ、あははっ!』


松「うお、どうした?壊れたか?」


『違うの、なんだか楽しくてっ!』


諸「何杯のんだの?」


『わからないくらい!』


萩「駄目だこりゃ」






笑って、笑って、笑って。


疲れて眠くなって。


冷たくて気持ちいい床に寝転ぶ。






伊「服脱がないとシワになるよ」


『うん…………』


降「眠いのか?」


『……………ん』







松「A………………泣いてるのか?」





『っ……………え?』






慌てて頬に手を当てる。


涙で濡れていた。


なんで泣いてるんだろう。


なんで涙が止まらないんだろう。


わからない、もう全てが。






松「泣きたきゃ泣け」





松田の匂いがふわっと香る。


いつの間にか彼に抱きしめられていた。


まるで幼い子をあやすように背中をリズムよく軽く叩いていくれる。


萩原の大きな手が私の頭を撫でて、


無意識に擦り寄せれば、諸伏の優しい声が耳に響く。


…………大丈夫、まだみんな生きてる。


一人じゃないよ、"零"。


だから、





『私の前からいなくならないで、私が死ぬまでみんな生きてよ』





その言葉を最後に眠りに落ちた。


私は知らない。


寝たあともずっと彼らが寄り添ってくれていた事を。

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白ウサギ(プロフ) - 麗さん» 間違えだらけですみません、ご指摘ありがとうございます。修正しました。また何か誤字や不備がございましたがお手数をお掛けしますがお知らせください。 (2021年6月3日 9時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 27ページ angei 最後のスペル iではなくlだと思います (2021年6月2日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 同じく19ページ 半眼出だし 出 は不要かなと思ったのですが勘違いでしたらすみません (2021年6月2日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 19ページ メイク道化かして? の 道化 は誤字ではないでしょうか? (2021年6月2日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 15ページ 萩原だけだった日が だったら ではないでしょうか? (2021年6月2日 23時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白ウサギ x他1人 | 作成日時:2018年11月19日 0時

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