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ASide
「……、………A、A!」
『っ、はい!?』
「残りのご遺体の解剖始めるよ」
東海林さんに起こされる。
時計を見れば盛大な寝坊をしたことがひと目でわかった。
慌てて髪をまとめ、白衣を着て手袋をする。
…………が、ふとその手を止める。
『あの、あと何体のご遺体が残っていますか』
「えーと、三体だね」
『三澄さん』
「どうしたの?」
『残りのご遺体、任せてもいいでしょうか?少し用事といいますか、行きたい所がありまして』
「どうしてですか」
ふと冷たい声が耳に入る。
それは以外にも久部くんだった。
彼の瞳は私を警戒しているような、そんな色が浮かんでいた。
『実は犯人の目星はもうついてるんです。動機も。それを確かめに行きたくて』
「えっ!?」
「…………僕も一緒に行きます」
「えっ!?」
驚きの声が二回響く。
久部くん、貴方は一体どうしたの?
私の闇に気づいているのだろうか。
なんにせよ良い印象は抱かれていないはずだ。
『でも…………』
「僕がバイクで一緒に行きます。そのほうが早いでしょう」
確かにそうだけど。
そこには有無を言わさぬ圧力があった。
『…………わかった、一緒に行こっか』
「おい」
『中堂さん、あとお願いしまーす』
何か言われる前に久部くんの手を引いてその場を後にする。
さて、気まずいドライブの始まりだ。
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麻衣(プロフ) - 六郎落ちが良かったです! (2021年11月16日 7時) (レス) id: d944f1cd48 (このIDを非表示/違反報告)
白ウサギ(プロフ) - ラミンさん» 返信遅くなってしまってすみませんm(_ _)mコメント嬉しいです!一応中堂さんオチにする予定です (2018年12月16日 10時) (レス) id: b629e84f8a (このIDを非表示/違反報告)
ラミン(プロフ) - 中堂オチがいいです・・・ (2018年12月8日 20時) (レス) id: a9e4616003 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒 | 作成日時:2018年9月2日 10時