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ASide




現場は大勢の野次馬でごった返していた。


なのでパトカーを少し離れた場所に止める。


野次馬を掻き分けて張られたテープの内側に入った。





『助っ人に来ましたー』


「Aと伊達か?話は聞いてる。新人だからとりあえず見とけ」


伊「はい」





案内されてさらに青いビニールシートで周りから見えないようにされた所に。


中には鑑識課の人達がいて、狭かった。


その中で圧倒的存在感を放っているだろう、倒れて血が滲む死体。


あの鼻をつく独特な匂いがする。


私は慣れているが、伊達はうっと口元を抑えた。


遺体は五十代くらいであろう男性。


服は質のいいスーツ。


特に乱れた形跡はなし。


死因はきっと鈍器に殴られたことによる失血死だろうか。


殺されてからだいぶ時間が経っており、硬直がかなり進んでいる。





伊「…………A?」


『………………』


伊「A!………大丈夫か?」


『………ん?あ、大丈夫。気にしないで』





考え込んでいて周りの声に気づかなかった。


きっと私が死体を前に怖がっていると思われたのだろう。


適当に対応しながら観察を続ける。





『防御創はなさそう………なら相手は知り合い、または不意打ち………手元に携帯。呼び出されたか?…………ん?なんだかやけに足元が冷たい。死体が冷たいのか?』








「そう。死体は異常に冷たい。きっとどこかで冷凍保存されていたのだろう。冷やせば腐敗は遅くなり、温めれば腐敗は進む。これで死亡推定時刻がだいぶ崩れてしまった」








ふと声がして、誰かに肩を叩かれる。


驚いて振り向けば、どこかで見た顔の人が微笑んで立っていた。


黒縁の眼鏡、鼻の下の切り揃えられた髭。


高身長で頭が切れる、一般人のような服装。






『貴方は…………まさか、工藤優作!?』


優「おや、私を知っているとは」


『知っていますよ!実はファンで!!あのナイトバロンはとても面白かったです。それに何よりその優れた頭脳が……………』





開いた口が止まらなかった。


それもそうだ、あの工藤優作が目の前にいる!


握手会もサイン会も、全部公安の仕事で行けなかったんだよ。


これくらい許して。





?「あ、あの時のお姉さん」


『ん?』




工藤優作の隣から声が。


そのまま視線を移しても誰もいない。


ということは下…………。





『え、新一君!?』

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sou(プロフ) - 運命が決まるのって11月7日ではないのでしょうか? (2022年3月20日 13時) (レス) @page4 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 終わり...なんですか!?めっちゃ面白いです更新楽しみにして待ってます!頑張ってください! (2020年5月16日 0時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
飾り物。(プロフ) - か、か、、完、、結、だと?! (2020年1月4日 0時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 続きみたいです( ; ; ) (2019年10月11日 20時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続きをください!お願いします。 (2019年6月18日 18時) (レス) id: 14e676a59f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白ウサギ x他1人 | 作成日時:2018年12月4日 1時

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