やり直せるのなら。２【名探偵コナン】

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ASide




『伊達の運転は安心できるわー』


伊「そりゃよかった」





不思議に爪楊枝を噛む伊達。


彼の静かな運転に感謝していた。


私が死ぬ(まだ死んでないかも)前のあの零のハチャメチャな運転。


そしてベルモットの暴走運転。


たまったもんじゃない。


信号が赤になり、乗っているパトカーがゆっくり止まる。


そんな私達の前を信号無視の車が。




伊「追うか？」


『いいえ、先に事件現場に向かいましょ。ナンバープレートは覚えたから、巡回中の人にお願いするわ』





無線でナンバーとその車が向かった先を伝える。


すぐに了解という声が返ってきた。






伊「信号無視なんて自ら事故に突っ込んでいくもんだよな」


『巻き込まれる人達が可哀想』


伊「ま、それも運だけどな」






『伊達、世の中全て運でできてるわけじゃない。時には必然的に事故に遭う可能性だってある。だから気をつけて。特に居眠り運転には』






ハンドルを握る伊達の手の上に、自分の手のひらを重ねる。


まだ温かい。


この温もりがいつまでも冷えないように。






伊「Aって不思議だよなぁ。まるで確信を得ているみたいな、不思議な忠告をする」


『そうだね。魔術師かも？』


伊「それを言うなら預言者だろ」





なんて笑う伊達。


それにつられて情けない顔をして笑った。


信号が青になって、彼の手を離す。


すると伊達は訝しげに私を見ながら車を動かした。





『どうしたの？』


伊「いや…………Aって時々天然だよな。これを天然で済ませたらいいのかわからないけど」


『どういうこと？』


伊「男をからかうのが上手いってこと」


『それは男たらしってことですか』


伊「そこまでは言ってない。ただ………なんというか、男を落とすのが上手そう」


『そうね。ハニトラは得意』





なんて言えば、頭を叩かれた。


本当のことなのに。

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