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ASide




きっとこれは自惚れではないと思う。


近くを歩く私達の手がコツンとぶつかった。


それはわざと?それとも偶然?


自然な流れて繋ぐ手。




松「…………なぁA」


『何?』


松「今日、泊まってもいいか?」


『…………いいよ』




それが合図だった。


するりと絡める指。


それが温かくてぎゅっと握りしめる。




『ねぇ、松田』


松「何だ?」


『私の隣にいる覚悟はできてる?』




一瞬だけ驚いたような表情をする。


しかしすぐにこれでもかというほど優しい笑顔を浮かべて。




松「とっくの昔から出来てる」





なんて答えるのだ。


ずっと続けばいい。


触れる温もりも、貴方の笑顔も。


私だけに見せる表情も。


何もかも。


私が守らなくていはいけない、大切なもの。







松田Side



目が覚めると、目の前に気持ち良さそうに眠るAがいた。


その寝顔が愛おしくて、頬を撫でる。


すると無意識なのか、すり寄ってきた。


ふと、パチっとその目が開く。






『…………おはよう、陣平』


松「っ、おはよう」





突然呼ばれた名前。


ずっと松田って呼んでたくせに。


朝からの不意打ちに胸が高鳴った。





『………陣平は呼んでくれないの?』


松「…………お前は本当にタチが悪いな、A」





そう呟き、口づけをする。


角度を変えて何回も。


それだけでは足りず、髪を掻き分けて首筋を少し強めに噛んだ。




『っ、しばらく髪結べないじゃん』


松「いいんだよ、見せびらかせば」


『……………』





何を思ったのか、俺の肩に頭を埋めるA。


チクリと鎖骨の上辺りに痛みが走った。




『仕返し。これでいつもみたいにネクタイ緩めれないね』




…………可愛いことをしやがる。


Aを守っていかなければ。


ふらりと消えて、疲れて戻ってくるこいつを。


不安そうな顔も、泣きそうな顔も。


全部受け止めてやりたい。


たとえ全てを話してくれなくても、


一番近くにいて、守ってあげられる存在になりたい。





もし、それが俺に許されるのなら。

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sou(プロフ) - 運命が決まるのって11月7日ではないのでしょうか? (2022年3月20日 13時) (レス) @page4 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 終わり...なんですか!?めっちゃ面白いです更新楽しみにして待ってます!頑張ってください! (2020年5月16日 0時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
飾り物。(プロフ) - か、か、、完、、結、だと?! (2020年1月4日 0時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 続きみたいです( ; ; ) (2019年10月11日 20時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続きをください!お願いします。 (2019年6月18日 18時) (レス) id: 14e676a59f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白ウサギ x他1人 | 作成日時:2018年12月4日 1時

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