検索窓
今日:25 hit、昨日:170 hit、合計:827,434 hit

86 ページ36

赤井Side




ライフルの手入れをし始めてしばらくすると、すやすやと寝息が聞こえてきた。


見ればスコッチとバーボンがビショップを挟むようにして三人で仲良く眠っている。


全く、警戒心がない奴らだ。


………いや、ビショップがいるからなのか?


彼女が来るまでは二人はボロなど一つも出さなかった。


ましてや甘えたりすることなども。


それほどまでに彼女は特別な存在なのだろうか。




…………それに、ビショップは俺の正体を知っているようにも見える。


何故かはわからないが、警戒しておこう。






『ん……………』





ふとビショップがもぞもぞと動いた。


寝返りを打ちたかったのだろうが、側にスコッチとバーボンがいるため出来なかった。


が、その拍子に毛布が肩からずり落ちる。






ラ「………やれやれ」




俺はそっと近づき布団をかけ直してやった。


その時、彼女の髪が顔にかかっているのに気づく。


直してやろうと手を伸ばせば…………。





ラ「……………っ!」




パシッとその手を掴まれる。


触れた手は小さく冷たいものだった。




ラ「…………思っていたより警戒心が強いようで安心したよ、ビショップ」




いつの間にか目を完全に開いて睨んでくる彼女。


女の割に力が強い。




『ご心配どうも。………貴方も身の回りには気おつけたほうがいいんじゃない?』


ラ「それはどういう…………」





俺の言葉を遮るように彼女は不敵に笑う。


そして俺の髪をクイッと引っ張り、耳元で囁いた。






『…………FBIの赤井秀一さん?』


ラ「っ…………!どこでそれを」


『はは、内緒。安心して。あんたのこと結構好きだから殺したりはしない。むしろ協力して』


ラ「協力…………?」


『そのときになればわかるよ』





微笑む彼女はそっと手を離した。


月夜に照らされるその姿はひどく美しく、


まるで堕天使を見ているようだった。


そんな彼女は間抜けにもあくびをする。




『私はもうちょっと寝るけど………ライは?』


ラ「起きてる」


『そっか。それじゃあおやすみ』






目を閉じた彼女はしばらくしてまた寝息をたて始める。


…………前言撤回しよう。


やはり警戒心が足りない。


それとも信頼されているのだろうか?




ビショップは謎が多いな。

87→←85



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (398 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1074人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

sou(プロフ) - 運命が決まるのって11月7日ではないのでしょうか? (2022年3月20日 13時) (レス) @page4 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 終わり...なんですか!?めっちゃ面白いです更新楽しみにして待ってます!頑張ってください! (2020年5月16日 0時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
飾り物。(プロフ) - か、か、、完、、結、だと?! (2020年1月4日 0時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 続きみたいです( ; ; ) (2019年10月11日 20時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続きをください!お願いします。 (2019年6月18日 18時) (レス) id: 14e676a59f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:白ウサギ x他1人 | 作成日時:2018年12月4日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。