78 ページ28
松田Side
Aの病室を出て、ほっと一息つく。
萩「A、案外元気そうだったな」
伊「でもあの怪我だとな…………」
松「暴れ馬にはきつい拘束かもな」
なんて話しながら廊下を歩いていると、
黒い服を来た集団とすれ違った。
ガラの悪そうな奴らだ。
目を合わせないよう、すっと顔を背ける。
松「………………！」
だがすれ違った時にあの匂いがした。
Aが羽織っていた、黒いコートに染み付いた煙草と同じ匂い。
慌てて振り向けば、高身長の銀髪野郎と目があう。
が、ずくに曲がり角で見えなくなってしまった。
伊「ん？どうかしたか？」
松「……………いや、なんでもない」
ガコン、と音がしてそちらを向けば、萩原が缶コーヒーを自販機で買ったところだった。
俺と伊達も缶コーヒーを買う。
病院を出て伊達の車に乗り込んだ。
そこで買った缶コーヒーを飲む。
伊「煙草吸うなら窓開けろよ」
萩「ん」
そう答えた萩原だったが、煙草を吸うことはなかった。
俺も何故か吸う気にはなれない。
萩「……………なぁ、ちょっと聞いてくれるか」
珍しく萩原が真剣な表情で口を開く。
伊達も驚いていた。
静かに萩原が話し始めるのを待つ。
萩「Aの怪我、爆破によるものじゃないとと思うんだ」
伊「え？」
萩「俺の前に現れる前にすでに怪我をしていた。そもそも何であのタイミングで現れたのかも謎なんだ。あいつはこう言ったんだよ。"逃げて"って。まるで爆弾が動き出すのを知っていたみたいに」
松「………………」
萩「それに俺はあの時Aに覆いかぶさっていたんだ。だからあいつより俺の方が怪我をしてないとおかしいだろ」
確かにそうだ。
そして俺にはもう一つ、引っかかっていることがある。
"11月7日。いなくならないか楽しみにしてるよ"
ちょうど爆弾が仕掛けられ、萩原とAが死にそうになったのが11月7日。
偶然とは考えづらい。
何より、何故その事を萩原ではなく、
俺に言ったんだ……………？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1075人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sou(プロフ) - 運命が決まるのって11月7日ではないのでしょうか？ (2022年3月20日 13時) (
レス) @page4 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 終わり...なんですか！？めっちゃ面白いです更新楽しみにして待ってます！頑張ってください！ (2020年5月16日 0時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
飾り物。(プロフ) - か、か、、完、、結、だと？！ (2020年1月4日 0時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 続きみたいです（ ; ; ） (2019年10月11日 20時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続きをください！お願いします。 (2019年6月18日 18時) (レス) id: 14e676a59f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白ウサギ x他1人 | 作成日時：2018年12月4日 1時
