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萩原Side




爆弾を前に、松田と電話していた時だ。




萩「三分もあれば余裕……………」




そこで俺は言葉を切る。


盾を持った機動隊の後ろに、本来いるべきではない姿を見つけたからだ。


AA。


ここ数日、音信不通だった親友の想い人。


かつての俺の想い人でもある。


もちろん、機動隊が通すはずもなく、さっさと追い払われる。


が、Aは助走をつけたかと思えば、盾に手をついて綺麗な弧を描きながら、


機動隊の頭上を飛び越えてこちらにやってきた。





萩「……………A?」


『萩原、今すぐ逃げて』


萩「…………はぁ?」






いきなり現れて、第一声がそれ。


タイマーが止まった爆弾を前に逃げる?


爆弾処理班としてそれはないだろう。





萩「それよりもお前は……………」


『そんなことどうでもいいの!とにかく逃げて!お願い』


萩「そんなこと言われても…………」


『研仁っ!!』







初めて呼ばれた下の名前。






『お願い、逃げて!』





彼女の声が震えている。


よく見ると手も。


今にも泣き出しそうだ。


こんなA、初めて見た。


………何か切羽詰まった理由があるのはひと目でわかる。





萩「…………わかったよ。お前ら、下がれ」


「え……………?」


萩「Aの言うとおりにしよう」






機動隊の奴らにそういえば、疑いながらも部屋の外に出る。


続いて俺たちも出ようとした。


廊下に出たところで嫌な音がする。


爆弾を見てみれば…………。





萩「逃げろ!逃げるんだ!爆弾が動き出した!」




刻々と時間を刻むタイマー。


走って防火扉の後ろに滑り込む。


刹那、俺たちを強い衝撃が襲った。





萩「うわっ、」


『うっ…………』




咄嗟にAに覆いかぶさる。


熱い熱風、煙、飛んでくる破片。


防護服、着とけばよかったな…………。






衝撃が収まり、ゆっくりと起き上がる。


体があちこち傷んだ。


みれば擦り傷や打撲がたくさん。


何より驚いたのは。




萩「…………え、血?」




両手にべっとりとついた血だった。


もちろん俺ではない。


となれば……………。





萩「A!?」

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sou(プロフ) - 運命が決まるのって11月7日ではないのでしょうか? (2022年3月20日 13時) (レス) @page4 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 終わり...なんですか!?めっちゃ面白いです更新楽しみにして待ってます!頑張ってください! (2020年5月16日 0時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
飾り物。(プロフ) - か、か、、完、、結、だと?! (2020年1月4日 0時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 続きみたいです( ; ; ) (2019年10月11日 20時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続きをください!お願いします。 (2019年6月18日 18時) (レス) id: 14e676a59f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白ウサギ x他1人 | 作成日時:2018年12月4日 1時

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