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ASide




『この、野郎!』



私を撃った奴に弾丸の雨を降らせる。


一人が窓を蹴破って路地裏に逃げ出した。


それを追って外に出る。


冷たい冬の風邪が傷口を撫でいった。


熱い、血が止まらない。


弾はまだ中にある。


それでも逃がすわけにはいかない。


だって皆殺しなんだから。







『くっ……………』






痛みに耐えながら後を追う。


この先は一本道だ。


そこまで頑張れ。






「っ、くそ!」






障害物のない真っ直ぐ伸びる道。


ああ、狙いやすいな。


まずは足を。





「ぐわっ」




次に肩を。


その次は腹、腕、最後に心臓。


崩れ落ちる瞬間に頭を吹き飛ばす。






『ふぅ……………』





耳を澄ませば、もう銃声の音は聞こえない。


殺し終えたころだろうか。


変わりに遠くでサイレンの音が聞こえた。


警察だ。


私も警察官だけどね。


さて、逃げなくちゃ。





ベ「puppy!」


キ「ビショップ!動くな!」


『え………ベルモット、キャンティ』





バーのほうから駆け寄ってくる二人。


そのすぐ後ろからジンとウォッカとコルンも。


ゆっくりと視界が反転するのがわかった。


ドロリと肌を濡らす生ぬるい液体。





『これ………全部私の血?』




ベ「止血するわ。でもその前に逃げないと!」



ジ「車は近くに止めてある」



キ「サツ来るの速すぎんだよ…………」







だんだんと彼らの声が遠のいていく。


そうか、私は血を流しているのか。


運が悪ければこのまま死ぬのか。


二度目になるかもしれない死を迎えるのは、なんだか複雑な気持ちだ。







…………いや、まだ死ねないんだった。






私が死ねば、誰が救うというの?



月の光が雲に遮られ、やがて雨が降り始める。



良かった、これで血は洗い流される。



そんな冷静なことを考えている自分に嫌気が差した。





…………今眠ったら、どうなるのだろう。




そんな思いを最後に、眠りに吸い込まれていった。

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sou(プロフ) - 運命が決まるのって11月7日ではないのでしょうか? (2022年3月20日 13時) (レス) @page4 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 終わり...なんですか!?めっちゃ面白いです更新楽しみにして待ってます!頑張ってください! (2020年5月16日 0時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
飾り物。(プロフ) - か、か、、完、、結、だと?! (2020年1月4日 0時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 続きみたいです( ; ; ) (2019年10月11日 20時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続きをください!お願いします。 (2019年6月18日 18時) (レス) id: 14e676a59f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白ウサギ x他1人 | 作成日時:2018年12月4日 1時

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