やり直せるのなら。２【名探偵コナン】

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ASide




アジトには主要メンバーが全員集まっていた。


珍しいな。




キ「よービショップ。久しぶり」


『キャンティ。また貴女と飲みに来たいな。今度は酔いつぶれない程度で』


コ「キャンティ…………潰れたの、か？」


キ「コルンうるさいよ」


『コルンとも一緒に飲みたいな』


コ「…………いいよ」


ベ「あら珍しい。コルンが誰かと予定を立てるなんて」


コ「ビショップ…………だから」






私は組織の人間からは好かれている方だ。


それがいいのかはわからないけど。


全員集まったことを確認し、ジンが口を開いた。






ジ「裏切り者が出た。麻薬組織のスパイだ。その組織ごと潰す。全員殺せ」






皆殺し、ですか。


警察官だがその言葉に心が揺さぶられることはない。


かなり前から私の心は麻痺している。





『ならその麻薬組織を中から壊していきたいですね。じっくりじわじわ、追い詰めて恐怖のホルマリン漬けにする』




キ「…………やっぱりレディそっくりだ」




『そう？』







それはきっと容姿ではなく中身のことを指しているのだろう。


私は闇だ、光に飢えた闇だ。


どんなことをしても罪悪感は抱かない。


ふと、公安の時のあだ名を思い出した。



"恐怖の死神"



どんなことでも冷静に、そして静かに狂気を渦巻く姿から付けられたそうだ。


あながち間違いではない。


私の中では善と悪が対立している。






ジ「お望みどおり、恐怖のホルマリン漬けにしてやろう。ベルモットとビショップは潜入しろ。二週間後に中からも外からも同時に壊してやる」









『……………素敵な壊し方』








うっとりとした響き。


私は何を望んでいるの？


悲鳴？狂気？血？それとも死？








"欲望のままに従えばいい"







あの人が私に囁いた。


私の人生をぶち壊したあの人が。






『……………黙れ。私は彼らを救うだけ』






誰にも聞かれない声で呟く。


あの人はもういない。


だから、忘れろ。

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