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二話 ただならぬ関係!? ページ9

ぬ〜べ〜はアゴに手を当ててちょっと何か考え込んでいたが、
やがて顔を上げると、きっぱりと首を横に振った。

「いや、とくにない。なにか手がかりみたいなもんはないのか?」

(……!)

Aは目を見開いた。彼はうそをついている。

Aが土蜘蛛退治に原型を現したのはついこの間のことで、
ぬ〜べ〜が忘れるはずがないのに。

半神半狐の妖女をかばったとでもいうのだろうか。

Aが、クラスメートと無事に過ごせるようにと…?

「手がかりを探すために、
わざわざやって来たんです。

貴方にも協力してもらいますよ、鵺野先生。
生徒たちにも危険が及ぶかもしれないなら、
貴方に放っておけるはずがない」

「望むところだ、
ひとり残らず俺が守ってみせる!」

「ふっ、まったく貴方らしい…」

ぬ〜べ〜と玉藻を背に、
Aはそっとその場を離れた。

(鵺野 鳴介……思ったより見どころのある男かもしれない。
そして、玉藻京介…やっぱり、
私の予想は間違いじゃない…!)

昼休み終了の予鈴が鳴る。

次の授業は音楽室だったことを思い出して、
Aは足をはやめた。



そして放課後……。

強い妖気の出どころを探って旧校舎の廊下を玉藻が歩いている。

その背後から、突然こう囁かれた。

「おじさま。…玉藻のおじさまでしょ?
400年も生きて、
私を忘れてしまったのかしら。

なつかしいおじさま、私のお師匠、
どうかこっちを向いて……」

「……!?」

玉藻はハッと身構えた。

400年も生きて…という言葉を聞いたからだ。

玉藻京介の正体が齢400の妖狐だと知っているのは、
ぬ〜べ〜と、5-3の生徒たちと、
あとごく僅かな者だけだ。

初めて聞く声の主が、
どうしてそのことを知っている…?

十分に警戒して、玉藻は後ろを振り返った。

「お、おや。……Aちゃん、ですか?」

そこに立っていたのは、
昼まえに健康診断をした生徒の一人だった。

読みにくい上にどこか変な感じのする苗字の子だった。
その少女が、どうしてここに?

「玉藻先生?あなたは私をご存じだわ。
あなたは私のなつかしい玉藻おじさま…。
小さい頃、里でよく子守をして下さったじゃない。

あなたをおじさまと呼ぶのなんて、
ひとりしかいないでしょう…?」

玉藻おじさま…そう呼ぶ言葉の響きに、
そのとき、玉藻の記憶の一つがありありと思い出された。

「……一娘公主(いちじょうこうしゅ)?…一娘様ですか!!」

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作者名:こーむ稲田 | 作成日時:2014年11月30日 10時

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