一話 新ライバル!? ページ5
「さァ覚悟おし、いずれわが母の民となるか弱きものを狙う化け蜘蛛めが!」
首にかかっていた大きな玉をつないだ数珠を、
妖怪土蜘蛛の前に振りかざす。
「ギシ…!!」
化け物蜘蛛が一瞬ひるんだのを見ると、
女……Aは大きな声で一喝した。
「鵺野先生ッ!なにをボサッとしておられる、そのむすめごを逃がせ!!」
「…任せろッ」
小学生のはずのAの突然の変ぼうにあっけにとられていたぬ〜べ〜だったが、
A(仮)の一喝にハッとしてすぐ立ち上がった。
「宇宙天地 與我力量 降伏群魔 迎来曙光…我が左手に封印されし鬼よ、今こそ…」
「は よ う 致 せ ッ !!」
「は、ハイっ!!」
…鬼の手を発動するよゆうも無さそうだ。
ぬ〜べ〜は仕方なく、生まれつきの運動神経を頼りに敵のふところに潜り込む。
土蜘蛛はA(仮)の強いオーラに気圧されて、まだ動けない。
糸でぐるぐる巻きにされた女の子を救い出すのは簡単なことだった。
「さあ、もう大丈夫だ…!外に出ていなさい」
「はいぃ…!こ、怖かったよぅ…!!」
糸を引きちぎって、女の子を解放してやる。
ぬ〜べ〜はA(仮)に加勢しようと振り返って……
あ然とした。
「ギャギギギ…‼︎」
「さァ誓え、女媧の一娘(いちじょう)が現れたと妖怪仲間に吹聴してまわるのだ。
コテンパンにされたオマエの情けない体験もシッカリ話すンだよ。
誓わないならここでそのみにくい脚を一本一本丁寧に踏み砕いてふりかけにでもして食ってやろうか、え、どうなんだィ?誓うか!!」
「ギギギギィ…!!」
みれば、A(仮)はいつの間にか大蜘蛛の脚を2本もきり落として、
その首ねっこにヘッドロックをかましつつ何か脅しつけていた。
「そォかい、誓うんだね。嬉しいよ…それじゃ赦してやるとするかね…その脚あと三本と引き換えになぁ!!」
「ギャシイイイイッ‼︎」
脚を根元から三本まとめてもぎ取られ、
土蜘蛛は悲鳴をあげて姿を消してしまった。
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作者名:こーむ稲田 | 作成日時:2014年11月30日 10時