一話 新ライバル!? ページ3
キーンコーンカーンコーン…
「今日の授業はここまで!」
「起立!礼!」「さよならー!」
そしてなにごともなく放課後になり、
子供達は次々と家に帰っていった。
「A、学校にはもう慣れたか?」
「…先生」
バッグに宿題と筆記用具を詰め込んで下校の支度をしていたAに、
ぬ〜べ〜が声をかけた。
「おかげさまで、みんなともすぐ打ち解けられました。
1年間よろしくお願いします、鵺野先生」
「そんな固くなるな。ぬ〜べ〜でいいよ、ぬ〜べ〜で」
へらっと笑う担任に、少女は目を丸くする。
(この時代の大人というのはこうもヤワでユルいのか)
少女は薄気味悪そうに一瞬顔をしかめたが、
すぐまたもとの笑顔にもどって、
「それじゃ…ぬ〜べ〜先生。
ふふっ…ちょっとまだ照れくさいですね」
「じきに慣れるだろう。それじゃあ、気をつけて帰るんだぞ、A」
「はあい。それじゃ、さようなら。」
バッグを持ち上げて、一礼してからくるりと背を向け、
Aはすたすたと廊下を歩いていく。
その後ろ姿をぬ〜べ〜が微笑ましく見送っていると、
ふいにAがたちどまり首だけちょっと振り返った。
そして、
「ぬ〜べ〜先生、また明日!!」
と言うと、照れくさそうにはにかんでたたたっと駆けていってしまった。
「女媧宮 A…あの子なら大丈夫だな」
ぬ〜べ〜はひとりそう呟くと、
満足げに職員室のほうへ歩いていった。
彼はこの学校にまたも闇の住人が忍び込んだことに、
まだ気づいていない…。
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作者名:こーむ稲田 | 作成日時:2014年11月30日 10時