その師範、継子が大好き【冨岡義勇】part2

師範と夢、現 ページ44

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「師範、キスしてください」









思わず口に含んでいた茶を全て吹き出してしまった。


一体全体突然どうしたというんだ俺の継子は。
いや、俺の都合の良すぎる空耳か……？









「もう一回言ってくれ」

「キスしてください」









いや、聞き間違えではなかったらしい。
どういうことだ、血鬼術にでもかかったというのか……？


目の前には静かに目を閉じ、俺からの接吻を待つAがいる。









これは、そういうことなのか？しても、いいのか？

いや、駄目だろう。葛藤していると不意に頭に









“据え膳食わぬは男の恥”









という言葉が過った。これが、据え膳か……？
ならば……


Aの頬に触れ顔を近づける

いよいよ唇が触れる、









というところで視界が開いた。









瞼を開くとそこには見慣れた天井。

どうやらさっきのは夢だったらしい









「俺は、なんて夢を……」









最近こんな夢ばかりを見る自身に幻滅しながら起き上がり、身支度を始めるとAが襖からヒョコと顔を出した。









「師範、朝餉のご用意ができましたよ」

「あ、ああ。」









先ほどの夢のせいで過剰反応をしてしまった。
Aが不思議そうな顔でこちらを見ている。

可愛い……

そう思い、はっとした。今、俺は何を…。









これもあの変な夢のせいだ。

邪心をかき消しAの待つ食卓へと向かった。









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師範と継子の夢→←継子と彼と罪の償い

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