その師範、継子が大好き【冨岡義勇】part2

継子と桃の花 ページ4

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最近、鬼殺隊士のなかではある話題で持ちきりだった。

それは、









「おい、あの簪誰からの贈り物だと思う？」

「全く検討がつかないな」









Aの簪の件についてだ。

今のAは誰から見ても嬉しそうな表情で笑顔が絶えない。皆はそんなAに癒されているのだが、


それが誰かが贈ったものなのか、それとも自分で買ったのかがわからない。









とは言え、Aのあの喜び方や時折大事そうに簪に触れる姿から恐らく前者であろうと皆は思っている。


そして、問題は贈った相手が誰なのか、ということ。









「Aさん、随分と可愛らしい物をいただいたのですね、誰からですか？」

「あ、しのぶさん！実は、師範からなんです」









嬉しそうに言う彼女とは裏腹にしのぶはピシリと思考回路が停止した。

あの、冨岡義勇が彼女に簪を？



随分と大胆なことをするようになったものだとしのぶは思った。









だが、ふとAのこの様子と義勇を思い出し、


双方簪を贈ることの意味を理解してないのではないだろうかという考えにいたった









「Aさん、簪を贈る意味って知ってますか？」

「え、意味なんてあるんですか？」

「………いえ、なんでも」









Aはやはり前者だ。

では、問題の義勇はどうだろうか















「簪を贈ることに意味なんてあるのか」









……とんだ茶番だ。








義勇の行動一つで鬼殺隊は大きく揺れ動いたというのに。

更に、あの簪には桃の花があしらわれていた。









「冨岡さん、教えてあげますよ、簪と桃の花の意味を……」









義勇はカアッと顔が熱くなるのを感じた。

それは自分が無意識のうちにとんでもないことをしたと知ったから。









___簪を贈ることは、“結婚してください”
桃の花には“私はあなたのとりこ”という意味があるんですよ









義勇はその後暫くAと顔を合わせられなかったと言う。









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