短編集〜夢遊び〜

コウノトリ〜神宮寺勇太〜 ページ49

勇｢ただいま〜｣


ソファーに突っ伏している私は、
お昼の3時頃から今勇太が帰宅するまでの4時間ほどずっとこの体制で、
散らばった畳み掛けの洗濯物に囲まれて、
もちろん夕飯なんて作れるはずもなく、


勇｢辛くなった？｣

｢ん｣



私が中途半端にした洗濯物を片付けながら、勇太は｢夜飯簡単なの作るわ｣と言う。

勇｢腹は空いてんだろ？｣

笑う彼の表情が歪んだ。


｢ねえ、怒ってよ、家事くらいちゃんとしろって。
働いて疲れてんのにこんなことさせんなって｣


妊娠で情緒が不安定になることはあることだし、
そこに私の非があるわけでもないことは分かっている。
私は鬱っぽくなりやる気がなくなってよく動けなくなることがある。
勇太もそれを理解しているから何も言わないし、起こる必要も無い。

そんなことは分かっている。それでも



あまりにも許容されすぎて、私の存在価値すら失くなるような感覚に襲われて。



勇｢そんなに思うほど辛いなら、おれは別にずっと2人だっていいんだ｣

腕まくりをしていた勇太が私のところまで来て、私を抱きしめる。


勇｢でもAはそうしないで、この辛さに耐えて、毎日耐えて、もう一つの命を守ってるだろ？
それがどれだけ大変ことか、おれはおれなりにわかりたいから｣




子供ができたと知った時にあんなに喜んだ彼が、
同時にずっと2人でいることの覚悟も決めていたなんて。


勇太の想いの深さに溺れそうになる。


｢ありがとう…｣

勇｢全部おれが勝手に思ってることだから｣



さ、美味いの作るから待っててよ。と彼が私の頭を撫でた。子供の頭を撫でるより優しい手つきだった。


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み ゅ - 。様

我が家の冷蔵庫がよく半開きになってしまっている件について。
ちなみに我が家の冷蔵庫は一定時間開いていると電子音が鳴る。

私：ねえまた、半開き
母：最近、ぴーって言ってくれんのよ
私：ぴーって言うのも疲れたんだよ
母：どうりで涼しいわけだ

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