無解答〜永瀬廉〜 ページ14
廉｢ただいま｣
｢ん、おかえり｣
週に1度ほど、
忙しい仕事と勉強の合間を縫って、
私の家に泊まりに来る廉くん。
うちに来ても、勉強してることが多いけど。
｢もうすぐご飯できるから｣
廉｢ 今作ってるん？｣
いつも夕飯は7時に食べる私にとってこの10時という時間は明らかに遅い夕飯。
｢廉くん来るの遅くなるって言ったから、せっかくだし一緒に食べたくて。
とは言っても仕事疲れたから手抜きシチュー｣
廉｢おれ、Aさんのシチュー好きだよ。
あー、会いたかった｣
どうして年下なんだろう。
どうしてアイドルなんだろう。
出会った時もしもそれを知っていたなら、
きっと好きになっていなかった。
なれるはずもなかった。
｢ねえ、おばさんからかわないでよ｣
そう言って笑った時だった。
コンロの火を止める大きな手が、私の手首を掴む。
グイグイ引かれてソファーに投げられた。
廉｢おれがもし年上で一般企業に勤めてる奴やったらそんなこと言わせへんかったのにな｣
｢廉くん…？｣
私の上にのしかかって、あ、これ、怒っている？
廉くんは、今、怒っている。
廉｢こーやって、すぐ癇癪起こすからガキって言われんねん
わかってるよ、じゅうぶん｣
私の心はどこかまだ置き去りだから、
大人のフリをした子供だから、
｢すきだから、しょうがない｣
廉｢…すきだから……うん、しょうがない｣
無責任な言葉を言ってしまうんだね。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
紫亜(しあ)様
親戚のもうすぐ1歳児と全力で遊ぶリンリナ高校3年生。
※手加減は無し
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作者名：リンリナ
| 作成日時：2017年1月3日 23時
