【中編集】何も聞かないでよ【歌い手】 (ページ10)

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4.私の仮面ページ10

Aside

今日はまふ兄がそらるさんと打ち合わせする、と言ったから天月さん…翔太さんの家にいる。

「えっと…Aちゃん？何する？」

「あ、あの…なんでも…」

自分でも凄く印象が悪いと思う。
でも、どうすればいいの？

「えー、じゃあ…あれ、Aちゃんって歌い手やってるよね？」

「はい…真星って言います。」

話が続かない。
翔太さん、すみません。
あと困らせてばかり…自分が厭(嫌)になる。

「配信する？」

「そうですね…誰か呼びますか。」

誰か呼ぶ、なんてさんと二人は嫌だと言ってるようなもの。
失礼極まりない。

「じゃ、今からうらたさんとさかたん呼ぶね！」

気を遣わせてばかり。

「あ、すみません。ありがとうございます。」

ああ、ダメだ。
リスカしたい(切りたい)。

ダメだとわかっているのに。
欲求が募っていく。

「あの…大丈夫？顔青いけど…」

「あ、はい、大丈夫です。」

翔太さんを心配させてはいけない。
ダメだ。

「まふくんと居たかったよね。ごめんね」

とても申し訳なさそうに言う翔太さん。
仕方ない、ここは無理にでも笑顔を作ろう。

「あ、ごめんなさい、ちょっと緊張してただけです！あの、とりあえずゲームでもやりません？」

「そっか！ゲームやろやろ！」

…成功。
安堵の表情を見せたため大丈夫だと思う。
お願いだから、気付かないで。

「うーん…ス○ブラやる？」

「いいですね！それやりましょう！」

そう言った時。
インターホンが鳴った。

「おーい、来たぜ」

これは、渉さん(うらたさん)の声。
…だと思う。

「うん、入っていいよ」

「おっじゃまっしまーす」

なんかリズムをつけて言う優さん(坂田さん)
率直な感想…子供みたい…

「え、誰？この子」

「あ！ホントだー。」

「あ、まふ君の妹。」

みんな知らなかったんだ…
でもさ。実は…

「義理の妹です…」

「え？そうなの？」

「はい。」

やっぱり、翔太さんも知らなかった。
だってまふ兄と私なんて、遠くかけ離れている。
顔だって似ていないし…

「まあ、そんなことはどうでもいいんですよ！ゲームしましょ！配信もしますかー？」

「うん…ゲーム配信しよ！」

優さんに助けられた感半端ない…
ま、その後渉さんに、

「無理すんなよ…」

と耳元で嘆かれたけど知らなかったということにしておこう。

私は、仮面を被って、本性を出さなければ、もう誰も困らないのだから___