【アルスマグナ】 Train 2【泉奏】 (ページ32)

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何処かから聞こえる物音で目が覚める。

時計が指す時刻は午後4時。

相当寝てしまった。

先程よりは軽くなった気がする体を起こし、物音のする方へトボトボ歩いた。

……扉？誰かが外側からノックしているのだろうか。

私は恐る恐る扉を開けてみた。

そこに立っていたのは……

泉「約束通り、看病しに来ました」

泉くんだった。

飲み物やら何やらがたくさん入ったビニール袋を片手に、ニコッと笑っている。

「あ、とりあえず入って……」

泉「お邪魔します」

すっかり忘れてた……。

泉くんが来るんだったら少しでも部屋の片付けをしておけばよかった。

私はそんな後悔を頭の中でグルグルと回しながら、私はベッドへと座り込んだ。

泉「とりあえず……今熱はどれくらいなんですか？」

「あ……計ってない……」

泉「体温計……これですね、計ってください」

泉くんは机の上に置きっぱなしにしてあった体温計を手に取り、私に差し出した。

「うん……」

まだ話す気力が湧いてこない私は、静かに体温計を受け取って熱を計った。

暫くして計り終えた。

体温計が指す体温は35.8度。

大分下がった方だが、きっと解熱剤の効果だからまたすぐに上がってしまうだろう。

「……35度8分だったよ」

泉「……わかりました。とりあえず寝ていてください。買ってきた飲み物ここに置いておきますね。この水は俺のです」

泉くんは袋の中から幾つか飲み物を取り出した。

そのうちの水が入った500mlのペットボトルをトントンと叩いて立ち上がる。

泉「えっと……まずは……」

泉くんは独り言を言いながら何か作業をしているようだ。

私はもう一度起き上がり、泉くんが買ってきてくれた飲み物から一つ取って蓋を開けようとした。

……開かない。

普段なら開けられるペットボトルの蓋も、今は力が入らなくて開けられなかった。

それに気づいた泉くんがこちらに来てくれた。

そして、ペットボトルの蓋をスッと開けてくれた。

泉「……それだけ自分の体が弱っているということを自覚してください」

泉くんはそう言ってまた元の位置に戻っていった。

私は少しだけ飲み物を飲み、また蓋を閉めた。

完全に閉め切ってしまうと開けられないので、ゆるく閉めておいた。

私はまた寝転がる。

泉くん、何やってるんだろう。

そう思って泉くんを見てみると、何やらご飯を作ってくれているようだ。