【アルスマグナ】 Train 2【泉奏】 (ページ21)

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story 68 ページ21

今日からまた更新開始します。よろしくお願いします。by 作者

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タ「Aちゃん！僕喉カラカラだよ～……」

タツキ先輩が私の体をバシバシと叩きながら訴えてきた。すぐに渡さなかった私も悪いが、叩く力加減というものを考えてほしい。

「すみません……」

私はそう言ってタツキ先輩にタオルと飲み物を渡した。

タ「いいよ！ありがと～！」

タツキ先輩が笑顔で言った。

それと同時に泉くんが立ち去っていった。

ウ「A先輩！奏先輩とばっかり……」

タツキ先輩に続いて来たウィトくんが、何か言いたそうにしながらこちらへやってきた。

「ごめんね？喉渇いてるよね」

そう言いながらウィトくんにもタオルと飲み物を渡した。

ウ「……ありがとうございます」

ウィトくんは渋々といった感じで渡したものを受け取った。

何かあったのだろうか。それとも私が何かしてしまったとか？

「……ウィトくん、何かあった？」

ウ「……なんでですか？」

飲み物を少し飲んだウィトくんが、やはり不機嫌そうな顔をしてこちらを見た。

「今日のウィトくん、不機嫌だなぁって思って」

私がそう言うと、ウィトくんは少しハッとした顔をした。

ウ「不機嫌なんかじゃないですよ！僕今ダンス終わったばっかでテンションアゲアゲですしー！」

ウィトくんが私に向かって笑顔で言った。

でもその笑顔がどこか作り笑いのようで、それを見ていると少し胸が痛んだ。

そんなウィトくんの様子を見ていたタツキ先輩が、突如ウィトくんの腕を引っ張った。

タ「ぱっくん！お外行こう？屋上に行くとね、風がすっごく気持ちいいんだよ！」

ウ「ちょ、タツキ先輩！」

ウィトくんの腕を引っ張りながら走っていくタツキ先輩に、必死についていくウィトくん。

そんな二人を見ていたら、先生がこちらに寄ってきた。

ケ「先生喉渇いたなぁ」

「あ、どうぞ」

先生にもタオルと飲み物を渡す。

ケ「ありがとな」

先生は渡したものを受け取ると、ペットボトルのふたを開けて飲み物をゴクゴクと飲み干した。

ケ「それにしても、パクはどうしたのかな」

先生が心配そうに言った。

「さぁ……？」

私は首を傾げた。

ケ「アキラと泉は原因知らないか？」

先生が二人の方を向いて問いかけた。

ア「わかんないっす。なぁ？泉」

泉「……あぁ」

泉くんが少し間を置いてそう言った。

ア「何々、泉なんか知ってるの？！」

アキラがそう言うと、泉くんは静かに首を振った。