僕の日常 ページ1
僕は部屋の隅っこで座っていた。
僕にあてがわれたのは、屋根裏にある天井が傾いた空間。
窓は一つだけ。
そこから、暖かい丸や、静かな丸、小さくて光ってるものが見える。
僕はあれらの名前を知らない。
子供は、一定の年齢になると「ガッコウ」というところへ行って
友達を作ったり、「ベンキョウ」というものをして、
いろんなことを知るらしい。
でも、僕はこの家を出たことがない。
「父さん」と「母さん」と「姉さん」は
下の階で賑やかに暮らしているけれど
僕はこの部屋を出てはいけない。
僕は「シッパイサク」なんだそうだ。
『A、今日は何をしよう？』
僕が抱いている人形、ピースが話しかけてきた。
「…食べてないから、身体が動かない。」
『そっかぁ…』
ピースは僕のただ一人の友達。
気が付いたら僕とお話ししたり、一人で歩いたりすることができていた。
ピースは優しいんだ。
「父さん」や「母さん」みたいに僕を打たないし、
「姉さん」みたいにひどい言葉を投げかけたりしない。
僕には、ピースさえいればそれでよかった。
…あ、あと、ときたま「母さん」が持ってくる食べ物もいるか。
ここ最近食べ物がもらえてない。
お腹もグルグルと鳴くことをやめてしまった。
こうなると、体を動かせなくなるから、今はじっとしておいたほうが良い。
『じゃあ、いつもの想像ごっこしようよ』
「いいね…そうしようか。」
想像ごっこは体を動かさなくていい。
頭の中で、幸せなことを思い浮かべるんだ。
暖かくてフワフワのベッド
優しい家族
友達と食べる美味しいごはん
いろんなことを知って、知らないところへも冒険に出る
まだ「母さん」と一緒に寝かせてもらっていたころ
呼んでもらった絵本に描いてあったんだ。
火を噴くドラゴン
海の底に住む人魚
森を飛び回る妖精
砂漠を歩くラクダ
空を泳ぐ鳥
死ぬまでに見てみたい
『…ねえA、今どんなこと想像してるの？』
「ん−とね…ピースと、いろんな冒険をしているところ！」
『あはは！一緒だね！』
そうなんだ、嬉しいな。
やっぱりピースは、僕の一番の友達だ。
ピースとなら、僕はどこにだって行ける気がするよ。
力が入らない身体を頑張って動かして、ピースを抱きしめる。
「…大好きだよ、ピース。」
「ピースもだよ、A。」
タンタンタン…と、階段を上がってくる音がする。
あの音とリズムは「姉さん」だ。
足音は僕の部屋の前で止んだ。
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白樺葵(プロフ) - 狂歌さん» 狂歌さん！コメントありがとうございます！ね、なにやら雲行き怪しくなってきました……ｶﾀ((((〇△〇))))ｶﾀこれからどうなっていくんだろう……私も分かりません← (2021年7月8日 10時) (
レス) id: 30555c691c (このIDを非表示/違反報告)
白樺葵(プロフ) - マルさん» マルさん！コメントありがとうございます！えぇ、遅くなりましたがようやっと本編主人公君の登場です(汗)更新頑張ります！ありがとうございます！ (2021年7月8日 10時) (レス) id: 30555c691c (このIDを非表示/違反報告)
狂歌 - ヤバいピース何があった…?!不穏な感じしゅき(((全然ピース(平和)な感じがしない！めちゃんこ楽しみですッッッッッ！！ (2021年7月7日 23時) (レス) id: ba521741cf (このIDを非表示/違反報告)
マル(プロフ) - わっやっとユウくん出てきた〜！続きがきになる〜！更新がんばってください！！応援してます！！！ (2021年7月7日 22時) (レス) id: 92b1393144 (このIDを非表示/違反報告)
白樺葵(プロフ) - いよさん» いよさん！コメントありがとうございます！シンプルに嬉しいです！！書き始めた当初はこんなに反響があるとは思わず、軽い気持ちで書き始めたんです(汗)筆者含めて続きがどうなるのか分からないミステリーツアーですが、お付き合いいただければ幸いです(T＿T) (2021年7月6日 20時) (レス) id: 30555c691c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白樺葵 | 作成日時：2021年5月19日 11時
