【ONE PIECE】とある写真家の航海記 (ページ8)

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「おいフランキー、どこのどいつかもわからねぇ奴にペラペラ話してんじゃねぇよ。」

船の甲板から顔を出したのはロロノア・ゾロ。
麦わら海賊団の戦闘員だ。戦闘員らしく、既に警戒心をむき出しにしている。

「ごきげんよう。すまないね、詮索するつもりはなかったんだ。
　僕はただ、美しい船を見かけたものだからついつい引き寄せられてしまったに過ぎない。
　お邪魔なようであればすぐに退散するよ。」
「おぅおぅ、そう言ってくれるなよ。オレ様の船に興味あるんだろう？
　船が好きな奴に悪いヤツァいねぇ。特に、オレ様の船に興味を持った奴はなぁ！」
「…ったく、何かあったら責任とれよ。ナミの奴にどやされるのは勘弁だからな。」

Aに対しては敵対心をあらわにしたゾロであったが、
仲間であるフランキーの言葉は頭ごなしに否定はしなかった。
ゾロはふわぁと欠伸を一つすると、甲板へ消えていった。

「よっしゃ、この船の魅力、オレ様が直々に教えてやるぜ！」
「ありがとう。光栄だよ。」

小一時間ほど経った。
フランキーによるサウザンドサニー号の魅力講座はまだ続いていた。
Aも相変わらずニコニコと話を聞いていたが、突如として
叫び声が近づいてきたのをきっかけに、講座は終了したのだった。

「お～～～～～～～～～い！
　逃～～げるぞォ～～～～！！！」
「あァ？ありゃルフィたちじゃねぇか。買い出しは終わっ…」
「おや、後ろから大勢追って来ているのは海軍かな？」

白いポロシャツに、青文字で刻まれた「MARINE」の文字。
海賊と対極に位置する海軍の制服だ。
地響きが轟きそうなほどの大人数が、前を走る数人を追いかけている。

「だいたいこいつに「静かにする」、なんて芸当無理に決まってんだろ！！」
「いい加減騒ぎを起こさずに船に戻ることを学習しなさいよ！！！」
「シシシシ！お～～～いフランキー！出っ向っだ～～～！
　逃～～～げるぞ～～～！！！」
「あいよ船長。」
「おや、それではお別れかな？」
「おう。残念だがな。」

目の前で海賊が海軍に追われ、あわや出向するという状況化にもかかわらず、
Aは自分のペースは崩さない。
つい先ほど知り合った友人が発つ。彼にとってはそれ以上でもそれ以下でもないのだ。