【ONE PIECE】とある写真家の航海記 (ページ6)

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腹の虫がおさまったAは再び歩き出した。
そろそろ宿を探しておかなければならない時間帯だ。

宿屋や酒場が並ぶ通りへ戻ってきたA。
今夜一晩を過ごす場所を探してのらりくらりと歩いていると、
手配書が貼られている掲示板が目に入った。

「ふむ、海賊か…ずいぶん大きな額の賞金首なのだね……」

自分とさほど変わらない年頃の青年や女性、たまに獣人のような
人の形をしていない者の手配書もあった。
それらすべての顔の下にはたくさんの0が並んだ賞金額。

しかし、Aはさほど興味はないのか、
さらっと流し見をすると、また歩き出すのであった。

「おぉ～～～！うんまそうな匂いがするぞぉ～～～！」
「おいルフィ！あんまはしゃぐなって…！！」
「ん？」

にぎやかな声がするほうに振りかえると、
赤い上着に麦藁帽子が目立つ青年と、長い鼻に目が行く青年が
騒ぎながら市場を観光しているようだった。

「はて、彼らは先ほどの手配書の…」

流石についさっき目に入った手配書の面々は記憶に新しく、
彼らが麦藁の一味と呼ばれる海賊団の長と仲間であることを認識した。

が、

「ずいぶんと賑やかな人だな。
　あれほどの満面の笑み、是非写真に収めたいものだ。」

ニコニコと微笑みながら、人ごみに消えていく彼らの背中を見送るだけであった。