【ONE PIECE】とある写真家の航海記 (ページ13)

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「っはぁぁ～～～美味かった～～～！」
「結局ほとんど一人で食いやがって…」
「美味かったぞA！」
「なぁなぁ、さっきのどうやったんだ？！」
「ははは、手品の種を明かすのは興が覚めるというもの。
　ここは内緒にしておくよ。」
「「「えぇぇ～～～！！」」」

Aはスッとアルバムをしまい、立ち上がる。

「さて船長、次の島につくまで、僕はどこにいれば良いかな？
　余所者である僕があまり歩き回るのはよくないだろう？」
「んあ？別にどこにいたっていいぞ。」
「え、良いのかい？」
「おう。景色が見たけりゃマストに登ればいいし、腹が減ったらキッチンに行けばいい。
　あ、でも、ナミのミカン畑は気を付けろ。見つかったら殺される。」
「いや、キッチンもダメだろ。」
「そうか、わかった。まぁ、なるべく誰かがいるところにいるようにはするよ。
　感謝する、船長。」
「シシシッ堅苦しいのは好きじゃねぇ。好きにしな！」

満腹になり、すっかり上機嫌のルフィ。
柱の陰からこちらに睨みを利かせるゾロがため息をついているのも知らず、
完全にAを迎え入れる気でいる。

「(…ふむ、船長はそう言ってくれるが、船員が全員歓迎モードというわけでもなさそうだ。
　しばらくは様子見かな。)」
「あ！だったら、オレが案内してやろうか？」
「良いのかい？」
「ルフィが良いって言ったらいいんだ。特別だぞ？」
「…そうか、よろしく、チョッパーくん。」

それからAとチョッパーはしばらくサウザンドサニー号の内部探索を楽しむことに。

「…ほぅ、チョッパーくんは船医なのか。素晴らしい！」
「ほっ褒めても…何も出ねぇぞ！嬉しくなんかねーんだからなっ！」
「ははは！口ではそう言いながらも体は正直だね。」

顔を真っ赤にしながら体をクネクネさせているチョッパーを見て
Aは笑いをこらえきれない。
その満面の笑みを見て、チョッパーが首をかしげる。

「…Aは不思議なヤツだな。」
「そうかい？僕は勝手気ままに旅するただの写真家さ。」

未だAから目線を外さず、チョッパーは続ける。

「なんだろうな…なんか、雰囲気というか、オーラというか…
　うまく言えねぇや。」
「ふむ…では、うまく言えるようになったら是非教えてくれ。興味がある。」
「わかった！」
「約束だよ。」

２人は指切りをして、ふふっと笑う。
この短時間で、ずいぶんと距離が縮まったようだ。