【ONE PIECE】とある写真家の航海記 (ページ11)

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⑩ ページ11

「……と、言うわけで！
　次の島についたらAには降りてもらう。これで異論ないわね！？」

「ナミすわんの仰せのままにっ！」「俺は構わねぇ」「え～」「いいぞ～」
「異論なしよ」「ヨホホホ～」「コイツ強いのか？な、な？」「おー」

双方の自己紹介が終わったところで、Aの処遇について話し合った結果、
次の島までは送り届けることを約束し、そこで別れるという結論に至った。
その提案に対しての反応は様々だが、当の本人が異論なしだったので
反対派は観念するしかなかった。

「僕は構わないよ。目的地も、期限も、何も決まっていないからね。
　むしろ次の島までの船が調達できて、こちらとしては願ったり叶ったりだ。」
「…アンタほんとマイペースだなぁ…」
「よく言われるよ。」
「なぁなぁ！お前カメラもってるのか？写真撮るのか？」

チョッパーからすれば目線の高さにAのカメラがあるわけで、
興味をそそられないわけがなかった。

「あぁ。僕は旅の道すがら、美しいと思ったものや気に入ったものを
　写真に収めるのが唯一の趣味でね。今までもたくさんの人や物を撮影させてもらったよ。」
「おぉ！！見せてくれよ！」
「もちろんだ。」

Aに対して警戒心が薄いルフィ、チョッパーがAのアルバムに食いついた。

アルバムには景色、料理、人、動物など、様々なものがうつっていた。

「へぇ～みんな綺麗だなぁ～」
「どのくらい旅してたんだ？」
「さぁね？でも、家を出たのはずいぶん昔のような気がするよ。」
「なんだお前、家出したのか？」

顔を出したのはウソップ。

「……あぁ。親とあまり上手くいかなくてね。逃げるように家を出たんだ。
　まぁ、僕には兄がいるから、弟である僕は必要なかったんだろうね、
　今まで追っ手がついたことはないよ。」
「なんか、それはそれで寂しいな…」
「いいんだよ。僕も戻るつもりはないしね。」
「そうなのか…ん！この肉美味そう！！！」

アルバムをめくっていたルフィが目と手を留めたのは、料理の写真を集めたページだった。