序章６１ ページ13
(→side？？？)
俺の家は、確かに裕福じゃなかった。
でも、屋根の下で寝ることはできたし、身を寄せ合える家族がいた。
歳をとって小さくなった親父と、体の弱いお袋。
…それから、結婚を控えた妹。
妹を嫁に迎えたいと尋ねてきた青年は、きれいな服を着ていた。
おそらく、いいところのお坊ちゃんなんだろう。
最初は疑いしかなかったが、日を追うごとに妹を心から愛していることがわかってきた。
親父も結婚を認め、お袋はただただ涙していた。
俺はといえば、妹が家からいなくなるのは寂しく思えたが、
あんな幸せそうに笑う妹を見ると、背を押してやりたくなった。
でも、俺の家は貧しく、嫁ぐ妹に持たせてられる財産なんか何もなかった。
妹が恥をかかないように、２人の未来を支えてやれるだけのものが欲しかった。
ドワーフ鉱山での労働者の募集を見つけたときは渡りに船だと思った。
魔法石がザクザク発掘されている山、ドワーフ鉱山。
純度も高く、良い石が取れるらしい。
当たれば一攫千金。失うものなどない俺にとっては願ってもない話だった。
親父とお袋に話を付け、俺は鉱山へ出稼ぎに出た。
妹には、
『見てろよ、お前が見た事もないきれいなドレス、兄ちゃんが作ってやるからな！』
と啖呵を切って。
鉱山にはすでに多くの労働者が集まっていて、それぞれ魔法石発掘に目を輝かせていた。
俺も負けてはいられない。
俺は毎日、つるはしを振るった。
掘っても掘っても黒い土や石だけ。そんなに簡単には魔法石は顔を出さない。
それでも、妹の為、家族の為、腕を振るった。
１週間、１ヶ月、半年……
まだ魔法石は出ない。本当にここには石はあるのだろうか？
いや、諦めるわけにはいかない。家族のことを思えば、軋んだ腕にも力が宿る。
１年が経った。ああ、妹はずっと待っているのだろうか？俺が帰るのを。
親父たちは元気にしているだろうか？
…ここへ来てどのくらいたったんだろう？
俺はここへ来た時と同じ動作を繰り返す。
そういえば最近白髪が増えたな。…はは、帰ったとき妹に笑われるかもな。
「お兄ちゃん、私の結婚式にそんな頭で出席しないでよ？」
なんてな。
坑道にいる人間の数が減った。
以前はあんなに密集していたのに…。みんなもう諦めたんだろうか？
ざまあみろ。俺は諦めないぞ。石は俺のものだ…石は俺のものだ……
石はまだ出ない。もう誰の声も聞こえない。
魔法石は…イシは……
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白樺葵(プロフ) - エノさん» そして…！！！ご指摘ありがとうございますぅぅぅぅぁぁぁああ！！なんという盛大な誤変換！！！今の今まで全く気付いていませんでした！！すぐ修正いたします！！全世界のリドルファン並びにツイステファンの皆様に深くお詫び申し上げますっ！！ (2021年7月26日 12時) (
レス) id: 23d4604142 (このIDを非表示/違反報告)
白樺葵(プロフ) - エノさん» エノさん！コメントありがとうございます！うぅぅ…そんなお言葉をいただけるなんて…！まだまだこの世界も捨てたもんじゃないですね…(T△T)！ (2021年7月26日 12時) (レス) id: 23d4604142 (このIDを非表示/違反報告)
エノ - このような作品があるなんて、まだまだこの世界も捨てたもんじゃないですね!!!それと、深紅じゃなくて真紅ではないでしょうか？？間違ってたらスミマセン｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡すべての更新作品、楽しみにしてます!!!!(｀･ω･´) (2021年7月23日 0時) (レス) id: 7ef6e5e60c (このIDを非表示/違反報告)
白樺葵(プロフ) - 星猫さん» 合作？！？！おおおおお……初めてのお誘いで嬉しいです……！！ただ申し訳ありません…東方全然分からないのです……(--;)どんな作品を作りましょうか？オリジナルとか、知っているジャンルならできる気がします……！ (2021年3月11日 20時) (レス) id: 30555c691c (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 一緒に合作しませんか？東方は知ってます？私は、霊夢・チルノ・魔理沙・大妖精が好きです。 (2021年3月11日 18時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白樺葵 | 作成日時：2021年3月5日 15時
