深海の商人１０１ ページ20
(→sideA)
3度目となれば慣れてきてしまったこのヴィジョン。
真っ暗闇の空間の中、聞こえてきたのはアズールさんの声でした。
「僕の居場所は、いつもタコ壺のなかだけだった。」
…タコ壺？
ボコボコと、深い海の底から泡沫が沸き上がるような低くて、落ち着くような音が聞こえ、
私の…いや、アズールさんの視界に移ったのは、幼い人魚たちでした。
おそらく海の中の学校でしょうか？岩やサンゴ礁、貝殻などがちりばめられた教室の隅で、
アズールさんを取り囲むようにいる数人の人魚たちが、口々に暴言を投げかけてきました。
「やーい、アズールズルズル、墨吐き坊主！」
「さっさと拭けよ。足ならたくさんついてるだろ？」
「や、やめてよぉ……な、なんでそんなこと言うの……。」
「逃げろ！墨つけられるぜ〜〜〜。」
「きゃははは！俺らに追いつけっこないけどね。」
「うっ、うっ……。」
視界が歪んでいるのは、海の中だからではないでしょう。
水の中にいても、目から涙が出ているという感覚はわかります。
今より少し高い声のアズールさん。
どもりながら止めてと言い続けるも、人魚たちからの暴言は止まらず、
言いたい放題行った人魚たちは、スッとどこかへ泳いでいってしまい
残されたアズールさんは、ただただ泣き続けていました。
「ほかの人魚と違って、吸盤がたくさんついた足。
引っ込み思案でハッキリものも言えない。
勉強も運動もてんでダメ。
――僕は、いつも１人ぼっち。
グズでノロマな、タコ野郎。」
…それが、アズールさんの子供時代…
「アイツがいると水が濁る。
だって泣くと墨吐くんだもん。」
「鬼ごっこしても、すぐ捕まえられるから一緒に遊んでもつまんない。」
こんなに面と向かって嫌悪をぶつけて来られたんですね…
だから、タコ壺の中が、居場所だったんですね…
「ああ、そうですか。
なら、僕のことは放っておいて
ぐるぐる走り回るだけの
生産性のない遊びでもしてろ！
僕には早く泳げる尾びれは無い。
でも、自在に動く１０本の手足がある。
腕が２本しかない奴らより
５倍多く
魔導書の書き取りをしよう。
魔法陣を掻く墨だって
いつでも吐き出せる。
今に見てろ。
いつか絶対、
能天気な人魚どもを見返してやるからな！」
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白樺葵(プロフ) - 星猫さん» 星猫さん→なるほど！こちらこそ失礼しました！私が知ってるジャンルは変わらずです(汗)合作のお話嬉しいのですが、近々シナリオライターの職に就くことになり、そうなると無料の小説投稿サイトでも作品を上げるのに許可が必要になるみたいなんです… (2021年9月29日 19時) (
レス) id: 30555c691c (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 同じです新しいｐｃが手に入れましたから！こちらこそすみません。 (2021年9月29日 19時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
白樺葵(プロフ) - 星猫さん» 星猫さん、この会話、シリーズ1作目の時もしていますが、同じ名前の違う方なのかしら？IDが違うから、もし別人だったらごめんなさい。 (2021年9月29日 19時) (レス) id: 30555c691c (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？怪談レストランは知ってます？後、一緒に合作しませんか？ (2021年9月29日 17時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
白樺葵(プロフ) - 星猫さん» 星猫さん！コメント&こう評価ありがとうございます！楽しんでいただけるよう、これからも執筆頑張ります！ (2021年9月29日 16時) (レス) @page46 id: c15bb0fb59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白樺葵 | 作成日時：2021年9月7日 16時
