深海の商人８０ ページ48
何かを諦めたのか、Aさんはあまり言葉を発しなくなり、
僕からの要望は全て飲んでくれました。
それが、妙に不気味で……先ほど取り乱したところを見られたこともあって
僕も踏み込めずにいた。
「…では、何かあればこのボタンを押して下さい。
僕への緊急連絡になりますので。」
「わかりました。いろいろと、ありがとうございます。
…あ。」
「なにか？」
「アズールさんからでいいので、イデアさんに私がオクタヴィネル寮に一泊することを
連絡していただいてもいいですか？
あの人心配性だから、私が寮に戻らなかったら探しに来るかもしれないので…」
「わかりました。僕から話しておきます。」
「ありがとうございます。私からは以上です。」
「…では、明日の日没まで、よろしくお願いします。」
そう言って、僕は寮の自室に戻りました。
AさんをVIPルームに残して。
「…ふぅ。」
自室の扉を閉めた瞬間、どっと疲れが出て
ズルズルと扉に背を預けたまま座り込んでしまった。
…あぁ、やってしまった。
あんな簡単に僕のポーカーフェイスが崩れるなんて。
しかも、よりによってAさんに…
『他人の能力で自分を着飾って…それで満足なのかな、と』
「…ッ」
あぁ、満足だとも。最高の気分だ。
僕をバカにしてきたやつらがチャラチャラと遊んでいる間に
僕は黙々と勉強と研究を重ね、
今や僕の周りは、僕に助けを乞う奴らばかりになった。
僕は何だってできる。
美しい歌声も、高度な錬金術も、難しい動物言語だって、完ぺきにこなせる。
僕に手に入らないものは、もはや何もない。
…でも、だったらどうして、あんな一言が引っ掛かった？
あの一言がトリガーになって、僕の中にあった禍々しい感情が噴出したんだ。
どうして、あいつの言葉は、僕を揺れ動かした…？
「……」
いや、そんなこと、気にしないで良い。
僕は昔のような間抜けなやつじゃない。
僕は変わったんだ。完璧な男に。
…あんな言葉が引っ掛かるなんて、気のせいだ。
何の問題もない。
――インクがこぼれたような「ピチョン」という音が
どこからか聞こえたことも、きっと気のせいなんだ。
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あいすまん - 白樺葵さん» ひゃっほい∩^ω^∩ (2021年8月30日 13時) (
レス) id: 52e829b9c7 (このIDを非表示/違反報告)
白樺葵(プロフ) - あいすまんさん» そして！そう！！そうなんですよっっ！！満を持して！遂に！待ちに待った！！イグニハイド章が来るんですよ！！もう今日それだけを楽しみに仕事頑張りますから…！！ひゃっほぃ！！ (2021年8月30日 7時) (レス) id: 23d4604142 (このIDを非表示/違反報告)
白樺葵(プロフ) - あいすまんさん» あいすまんさん！おお！コメント一番乗りありがとうございます！！いやー…いつの間にこんな…１ページにつき2000文字くらいしか入らないからどんどんページ数だけが積み重なってしまって…(汗)今後も頑張ります！よろしくです！ (2021年8月30日 7時) (レス) id: 23d4604142 (このIDを非表示/違反報告)
あいすまん - 今日六章きますね！！！ (2021年8月30日 3時) (レス) id: 52e829b9c7 (このIDを非表示/違反報告)
あいすまん - 続編おめでとうございます！今回もコメントは一番乗りをもらいました！！！これからも更新頑張ってください！！！応援してます！ (2021年8月30日 3時) (レス) id: 52e829b9c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白樺葵 | 作成日時：2021年8月29日 16時
