序章１ ページ2
(→side:？)
コンコンコンコン
４回のノックは相手に敬意を表して行う回数。控えめではあるがしっかりとした四拍子に、
部屋の主はピクリと肩を揺らすものの、声での反応はしない。
ノックの主は反応がないことを見越して、話し始める。
「…イデア寮長、最終確認ですが、本当に入学式には出られないんですね…？」
「……」
寮長と呼ばれた青年――イデア・シュラウド――は応えない。
静かに燃える青い炎の髪の間から覗く黄金の瞳は揺れているが、その唇から言の葉が紡がれることはなかった。
「…その沈黙は肯定と取ります。…では、タブレットは持って参りますので、
何かあれば指示をお願いいたします。」
「……」
扉の向こう、声の主は気遣わしげにイデアの反応をうかがいながらも、淡々と述べる。
A・ベリアル……イグニハイド寮副寮長である。
他人との対面式の交流を極力避けたいイデアに代わり、会議への出席や雑用などをこなす、
陰の立役者である。
何物にも染まらない雪のように白く長い髪の、前髪部分で顔の左半分を隠し、
普段は自然に流している後ろ髪は、式典のために後頭部に結い上げ、
シンプルなヘアネットにまとめている。故郷の森を思わせる緑色の右目を不安げに潤ませながら「あの…」と言葉を続ける。
「…出過ぎたことを申し上げることをお許しください。
…その…オルトさん、イデアさんと入学式に出ること、とても楽しみにされていましたよ…？」
「……っ」
「……出しゃばったことを、言いました。申し訳ありません。
では、行って参りま…ゲホッ、ゴホッ…！」
突然咳き込むAだったが、イデアは相も変わらず大きく反応はせず、
またAも咳を止めないままイデアの部屋の前からトボトボと離れていくのだった。
「……わざわざマスク外してまで来なくてよかったのに…」
誰もいなくなった空間に、イデアの独り言が漏れる。
「はぁ」とため息をつき、イデアはごろりと扉に背を向けた。
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リゼ - 白樺葵さん» 学園内の身長のトップはツノ太郎では、、、 (2022年6月23日 14時) (
レス) @page32 id: bd60c7e03e (このIDを非表示/違反報告)
白樺葵(プロフ) - 星猫さん» ＞星猫さん こんにちわ！知っているレベルで言えば「僕のヒーローアカデミア」「BEASTARS」「怪物事変」「文豪ストレイドッグス」…と、このあたりでしょうか？総じて異能力バトルや、妖怪が出てくるお話が好きです(＾＾) (2021年3月4日 17時) (レス) id: 62e8178f4a (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？ (2021年3月4日 17時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白樺葵 | 作成日時：2020年11月9日 22時
