【ツイステ】言繰り師の学園録

序章１０ ページ11

すべての新入生の寮分けが終わっても、学園長は会場に戻ってきませんでした。
とはいえ、学園長の自由奔放さは今に始まったことではないので、
私たちも式の進行を続けました。

各寮長たちが組み分けされた新入生たちに声をかけに行きます。
ここからは私たちの仕事です。

「——さ、これで入学式と寮分けは終わりかな？
いいかい新入生たち、ハーツラビュル寮ではボクが法律(ルール)だ。
逆らうものは首をはねてやるからそのつもりで。」

ハーツラビュル寮はハートの女王の厳格な精神に基づく寮。
寮生たちはハートの女王が作った法律に従った生活をしています。
その法律がすべて頭に入っているリドルさんは素晴らしい方です。

「……ふぁ〜あ。やっとかったるい式が終わった。
さっさと寮に戻るぞ。サバナクロー寮、付いてこい。」

サバナクロー寮は百獣の王の不屈の精神に基づく寮。
スポーツや格闘技などを得意とする肉体派が多く在籍してらっしゃいます。
今年も獣人族のかたが大半ですね…。
あの面々を束ねているレオナさんはとても強い方です。

「新入生の皆さん。この度は入学おめでとうございます！皆さんが充実した学園生活を送れるよう
オクタヴィネル寮寮長として精一杯サポートさせていただきますよ。」

オクタヴィネル寮は海の魔女の慈悲の精神に基づく寮。
寮生の方々は独自に「モストロ・ラウンジ」というカフェを経営してらっしゃて、
アズールさんは寮長であるとともに、ラウンジのオーナーでらっしゃいます。
…学業と経営を両立してるなんてすごい方です。

「それにしても学園長はどこに行っちゃったのかしら？式の途中で飛び出して行っちゃったけど……」

いつ見ても美しいヴィルさんが寮長を務めるポムフィオーレ寮は
美しき女王の奮励の精神に基づく寮。
魔法薬学や呪術に秀でた、独自の美意識を持つ生徒が多いようです。
実際、寮長を決める基準は「最も強い毒を生成できた者」だというから驚きです。

『職務放棄……』
「…寮長、人のことは言えないですよ…」

手元のタブレットからボソッとイデアさんの声が漏れます。
この声の主、イデアさんが寮長、私が副寮長を務めているのはイグニハイド寮。
死者の国の王の勤勉な精神に基づく寮で、
魔法以外の最新テクノロジーも積極的に取り入れ、独特の雰囲気を持っています。
私はまだまだ不得手なのですが、魔導テクノロジーに強い方がたくさんいらっしゃって、日々勉強させていただいています。

序章１１→←序章９

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す