続・マイ探偵 (ページ14)

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五十五話ページ14

「冗談を言うんだけど、実はさっきの話、僕の推理ってやつなんだよねぇー」

けらけらと調子良く笑いながら犯人は減らず口を叩く。

「だからさぁ、教えてよ。京君。君は本当に自分のお父さんを、大地を、殺したのかい？」

「……………」

そんなこと、言われても。

僕は今まで…そんなこと忘れていた訳で……。

ん？

忘れていた、だと？

それじゃあ、まるで認めているようではないか…。

反論をしようと、口を開いた。

「あーあ、そうですよ。父を殺したのはこの僕です」

あれ？

「骨を抜くのは、些か骨が折れましたよ、骨だけにね」

可笑しいな？

反論をするつもりが、認めてしまった。

そして、認めたら、どっと記憶が押し寄せてきた。

今でも褪せない、殺した時の生々しさは、明らかに自分の記憶そのものだと理解できる。

確かに、父を殺したのはこの僕であった。

手に感触が残っている所まではいかないが、記憶は未だ鮮明だった。

「ふーん、じゃあ、認めるんだ」

「ええ、認めますよ…」

珍しく、ずっとにやにや笑っていた犯人が笑みを失せた。

「京君。どうして僕は、君にこんなことを話して、こんなことを自白させたんだと思う？」

「………え？」

「今時、馴染みが無いのかもしれないけどさ……」

犯人は、懐から何かを取り出す。

黒くて、金属で、何とも暴力的な。

それを、僕に狙いを定めるように構える。

僕は、動けない。

「仇討ちだとは、思わない訳？」

短くて鈍くて、それでいて軽快な音が一発聞こえた。

その音の正体とは、銃声である。