三十四話 ページ41
「現場はここでいいの？」
現場までの道案内をしてもらい、立ち止まったところで聞いてみると、小さくも力強く頷く怒乃さんを見た後、じっくりと外観を観察する。
津露では言わずと名が知れた、津露総合病院。
勿論、僕もつい数週間前に入院していた。
その時の頭の傷は完治していて、縫ったときの糸も抜いてあるので、ここに来るのはもう患者としては来れないのだが……それにしても、こんなにすぐ戻ってくることになるとは思わなかった。
そこで不可解な【 火 災 】が起きた。
病院はどこも燃えていないところから正確を期すと、他の家で【 火 災 】が起きたとされる。
そう考え、辺りを見回すと、案の定。
病院の隣の隣の民家が、骨組みだけ残されていた。
黙り込んでしまった僕を見た怒乃さんが
「…この病院で、火災があった家側に病室があって、窓が開いていたという条件の人だけが死んでしまったの。一酸化炭素中毒で。でも、私の祖父がいた病室は窓が閉まってた…なのに、一酸化炭素中毒で死んだ…可笑しいと思わない？」
確かに、窓が閉まっているのであれば【 火 災 】が起きた家からの煙も入ってくることはないだろう。
煙が入ってこないということは、一酸化炭素中毒にもなるはずがないのに。
「何か……もう、分かったの？」
話を聞いても尚、難しい顔をしていた僕に、期待というより心配するように聞いてきた。
「いや、僕はそこまでの閃き力は持ち合わせていないからね…まずは中に入って、事情聴取かな」
そう言い、怒乃さんと共に病院に入った。
「あら、大地君じゃないですか。久しぶりですね、今回はどんなご用件で？それともまた入院ですか？」
別に入院する気なんて更々ないのだが…と、心の中で突っ込みをし、その聞き覚えのある声の主を思い出す。
「お久しぶりです。荻綴璃さん。今回は仕事でこちらに来させて頂きました」
「ああ、この間の…あれですか…では、よろしくお願いします」
事情を説明するまでもなく、僕はすんなりと理解して貰えた。
なんと言うか、前までの僕が知る綴璃さんじゃないような気がするが、人間の勘なんてアテにしてはいけないので、気のせいということにしておこう。
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こきあ@アホ毛同盟@カオス家族同盟*母(プロフ) - いっつんさん» ありがとうございます！会話はかなり力を入れているので、そう言ってもらえると嬉しいです！これからも頑張らせていただきます！ (2020年8月23日 16時) (
レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)
いっつん(プロフ) - 小説拝見しました！ ミステリー小説は犯人の動機やトリックを考えなければならないので大変ですよね……。ちょっと生意気な妹ちゃんと兄くんのやり取りが可愛くて好きです！ これからも執筆頑張ってください！ (2020年8月23日 15時) (レス) id: 9672a7ee0b (このIDを非表示/違反報告)
こきあ@アホ毛同盟@カオス家族同盟*母(プロフ) - あきさん» あーね…読者観点と作者観点ってやっぱかなり違いがあるんだねぇ………(( (2020年7月23日 18時) (レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - えっとね、せいにぃは好青年感するなぁ。神崎さんは好きよ。京は少しナルシストっぽいところが感じられるんだけどそこ好き。妹ちゃんツンデレだよね、遅くなってごめんよー。 (2020年7月23日 18時) (レス) id: f9bd0e9f58 (このIDを非表示/違反報告)
こきあ@アホ毛同盟@カオス家族同盟*母(プロフ) - みるくプリンさん» ありがとうございます！！まあ、これからまだ先があるので何とも言えなかったのでしょうが…(笑) (2020年6月28日 20時) (レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)
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