二話 【初仕事編】 ページ3
妹は歩くのが速かった。
結構必死に食らいつかないと追い付けない。
お陰で予定より早く事務所に着いた。
「すみませーん…」
「あっ、来た来た！よろしくね、大地くん。来てくれて嬉しいよ」
「それは…良かったです。今日からお世話になります」
今日からお世話になるのは、津露探偵事務所を動かしている方、神崎さんだ。
漫画喫茶にいた僕を(強制的に)津露探偵事務所にスカウトしてくれた方である。
僕の読んでいた漫画がたまたま推理漫画だったからなのか、急に話しかけて来ては「君、探偵に興味ある？」と言い、名刺を渡し、仕事も渡そうとしてきた。
その時は拒否したのだが、結局こうして仕事をする形になってしまったのだ。
既に戻れない感じだから流れに任せているのだ。
もう僕がどうにかできる事じゃない。
友人には全力で応援され、先生にも「頑張れよ」と言われる始末。
妹にはなんと尊敬の眼差しで見られてしまったのだ。
近所では僕の話で持ちきりだし。
言っちゃ悪いが、狭い町だ。
「早速だが、依頼人の紹介だ」
ずっと思っていたが、素人である僕なんかに何故依頼したのだろうか。
僕よりも腕の立つ探偵なんてごまんといるのに。
「依頼人は、秋葉秀仁さん。その妻は治美さん」
(あきば しゅうじ…さんに、妻の…はるみ、さんね。)
読み仮名も念のため振っておく。
急いでメモをする。
後で簡単な似顔絵でも描いておこう。
上手いかって？
…ふっ…実はこれでも美術の評価は4だったのさ。
まぁ、そんなことは置いておき。
「秀仁さんは実業家。妻は専業主婦。というようになっているが、実際の所はよく分からないんだ。って、そこは今調べる事じゃないな」
………一応メモっておこうか。
「まあ、後は本人の話を聞いてもらって、依頼内容を把握してもらえればいいさ」
「分かりました」
「彼らの家に送っていくよ」
「あっ、有難う御座います」
ありがたいのだが、妹をどうしようか…。
「妹さんはどうするの？」
「………………」
人見知りか？いや、そんなことはない筈…。
「……ついていっても…いいですか？」
そういう事か。
「いいよ。ほら、車に乗って」
「「有難う御座います」」
最後に事務所を出た神崎さんは扉を閉め、鍵を掛けた。
看板の傍には、『準備中』の文字が見えた。
初 仕 事 編
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こきあ@アホ毛同盟@カオス家族同盟*母(プロフ) - いっつんさん» ありがとうございます！会話はかなり力を入れているので、そう言ってもらえると嬉しいです！これからも頑張らせていただきます！ (2020年8月23日 16時) (
レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)
いっつん(プロフ) - 小説拝見しました！ ミステリー小説は犯人の動機やトリックを考えなければならないので大変ですよね……。ちょっと生意気な妹ちゃんと兄くんのやり取りが可愛くて好きです！ これからも執筆頑張ってください！ (2020年8月23日 15時) (レス) id: 9672a7ee0b (このIDを非表示/違反報告)
こきあ@アホ毛同盟@カオス家族同盟*母(プロフ) - あきさん» あーね…読者観点と作者観点ってやっぱかなり違いがあるんだねぇ………(( (2020年7月23日 18時) (レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - えっとね、せいにぃは好青年感するなぁ。神崎さんは好きよ。京は少しナルシストっぽいところが感じられるんだけどそこ好き。妹ちゃんツンデレだよね、遅くなってごめんよー。 (2020年7月23日 18時) (レス) id: f9bd0e9f58 (このIDを非表示/違反報告)
こきあ@アホ毛同盟@カオス家族同盟*母(プロフ) - みるくプリンさん» ありがとうございます！！まあ、これからまだ先があるので何とも言えなかったのでしょうが…(笑) (2020年6月28日 20時) (レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)
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