十四話 ページ19
「こ、こんにちはぁ…」
「こんにちは。君があの、僕が依頼した探偵さん?」
「ええ。うちの“大地“が、貴方の提示した顔の特徴と一致致しましたので。本人で間違い無いでしょう」
「ん?“大地“?名前…」
「…?」
「“京“じゃなかった?」
「え?じゃあ、人違いでしたかね…大地、君の名前って京じゃないよね?」
「いいえ、僕の名前は京です。隠してて、すみません」
別に隠してても隠していなくても、どちらでも良かったのだけど、いざ名乗ろうとしたら、隠したくなっちゃって。
本当に、大して意味がある訳じゃないのだけれど。
「でも、何で貴方が知っているのですか?」
「あれ?忘れちゃってる?僕だよ、きょー?本当に忘れちゃってる?」
「んなこと言われて…も……ああああっ!?」
「へへっ、思い出した思い出した!?」
「うん。すんごい久しぶり!せいにぃ!」
「久しぶり!きょー、随分と背、伸びたな!」
「そう?」
「大…じゃなくて京。」
「はい…?」
「こんなイキイキした奴だったっけ?」
今のお前の目、輝いてる。
いつもの死んだ魚のような目をしていない。
そう言った。
それって流石に酷くないか?
「そうなんですよ〜本当に!」
「ちょお、せいにぃ!」
せいにぃの特徴的なけらけらとした笑い声が部屋に響く。
殺人犯(仮)とこんな風に戯れているというのは本来ならば有り得ない。
そんなところが面白かったりするのだが。
とりあえず。
読者諸君に今回の事件についてお教えしょうと思う。
あるアパートで、殺人事件が起きた。
被害者は全身を打撲。
せいにぃの部屋と被害者の部屋の境界線になっている壁の下の部分が崩れてしまっていた。
その崩れた壁が被害者に当たった様だ。
更に鈍器か何かで殴られた痕もある。
その壁を意図的に崩したのでは、そして更に殴ったのも彼ではないのか、と言うことでせいにぃが疑われている。
勿論せいにぃは容疑を否認している。
……訳ではないようだ。
|被害者情報|
名前:七道 柚須楽(しちどう ゆすら)
年齢:34歳
職業:公務員
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こきあ@アホ毛同盟@カオス家族同盟*母(プロフ) - いっつんさん» ありがとうございます!会話はかなり力を入れているので、そう言ってもらえると嬉しいです!これからも頑張らせていただきます! (2020年8月23日 16時) (レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)
いっつん(プロフ) - 小説拝見しました! ミステリー小説は犯人の動機やトリックを考えなければならないので大変ですよね……。ちょっと生意気な妹ちゃんと兄くんのやり取りが可愛くて好きです! これからも執筆頑張ってください! (2020年8月23日 15時) (レス) id: 9672a7ee0b (このIDを非表示/違反報告)
こきあ@アホ毛同盟@カオス家族同盟*母(プロフ) - あきさん» あーね…読者観点と作者観点ってやっぱかなり違いがあるんだねぇ………(( (2020年7月23日 18時) (レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - えっとね、せいにぃは好青年感するなぁ。神崎さんは好きよ。京は少しナルシストっぽいところが感じられるんだけどそこ好き。妹ちゃんツンデレだよね、遅くなってごめんよー。 (2020年7月23日 18時) (レス) id: f9bd0e9f58 (このIDを非表示/違反報告)
こきあ@アホ毛同盟@カオス家族同盟*母(プロフ) - みるくプリンさん» ありがとうございます!!まあ、これからまだ先があるので何とも言えなかったのでしょうが…(笑) (2020年6月28日 20時) (レス) id: 2afde1be33 (このIDを非表示/違反報告)
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