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『あれ…？セフンはいないんですか？』
「うん。だって今日じゃん。俺たちで会議しないと」
「彼は先輩たちと食べてるから。ほら、あっち見てみ」
いつもの席でランチタイム。セジョンの指差す方を見れば、チャニョル先輩とギョンス先輩に挟まれてニコニコ笑っているセフンがいた。なんて穏やかな光景なんだろう。
今日は、ついに訪れたセフンの誕生日。
昨日も彼は家に来たものの、よっぽど疲れていたのかお風呂に入って髪を乾かしたらベッドにダイブしてすぐにぐうぐうと寝てしまった。
日付を越した瞬間にお祝いしたかった私としては面食らったけど、まあ…起きたらでいっかってそっと寝かせてあげた。そうしたら翌朝は2人揃って遅刻寸前の時間に起床して。やばいやばいとドタバタしてたせいでおめでとうの言葉すら言えなかった。
付き合って初めて迎える彼の誕生日。
駆け出しが最悪で私は朝からずっと萎れていた。
「プレゼントはバレてない？」
『はい。メンズもの？って怪しまれましたけど…なんとか耐えました』
「あいつ目敏いな」
「A。今日はこの前私があげた勝負下着ちゃんと着るのよ」
『ちょっ、食事中…！』
「お〜セジョナ言うね〜」
ベッキョンさんもいるのに君はなんてことを言うんだ…！
セジョンに言われなくたってもちろん、き、着るに決まってるし…
あーもう恥ずかしいからやめてよ！
「明日、報告よろしく」
『ベッキョンさんには言いません』
「じゃあセフナから聞こーっと」
『…味噌汁かけますよ』
「うわあ、ギョンスに似てきたね」
『絶対に！言いませんから』
「はいはい。ごめんな」
頭にベッキョンさんの手がぽんと置かれそうになったとき、
「ヒョン、何してるんですか」
『…セフナ』
バースデイボーイである彼の声が上から降ってきた。
彼は冷たい目でベッキョンさんを見ている。
ゴミついてたから取ろうとしてたんだよってベッキョンさんは笑いながら言ってたけど明らかに目が死んでいて。あとからやってきたチャニョル先輩はそんなベッキョンさんを見て静かに手を合わせていた。
「…そろそろ時間だから。戻ろう」
ギョンス先輩の言葉で凍り付いた雰囲気は少し弱まったけど。
なんで。
なんで彼の誕生日なのにこんなことになってるの。
もう泣きそうだった。
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作者名：mi | 作成日時：2020年1月5日 23時
