BETWEEN II (ページ38)

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ぽふん。

身体を倒して太ももに頭を乗せてきた。

ちょっと重いけど、愛の重さだと考えればいくらでも耐えられる気がする。

セフンのさらさらの髪をしばらく撫でていると、「でも、」と彼は口を開いた。

『…ん？』

「プレゼントもいいけど、僕はちゃんと口で伝えますね」

『ふふ、ありがとう。私もちゃんと伝えるね』

あ、なんかほんわり。
心が温かくなった。

素直に気持ちを伝えるって簡単なようで難しい。だけど、ちゃんと自分の思いを伝えられて、それを受け止めてくれる人がいるっていうのが何より嬉しいし幸せだよね。

好きとか愛してるとかそういう言葉、照れくさくて彼にはあまり言えてないけど。私、セフンが思ってるよりあなたのこと大好きなんだよ。…っていつか言う日が来たら言うね。今はちょっとまだ恥ずかしいです。

じゃんじゃんと聞こえていた音楽はいつの間にか穏やかなものに変わっていて、映画は感動の終盤に差し掛かっていた。

…ああ。

そういえばもう一個気になることがあってね。

『ねえねえ。もう一個聞きたいことある』

「なんですか？」

『時計くれたあとのことなんだけど、セフナさ、目瞑ってって言って私のおでこに手乗せたじゃん。あの時何したんだろうって』

「あー…」

そう。これもずっと気になってたんだよね。

私の中では熱測ったっていう説しか思い浮かばなくて。
家帰ってから自分でも測ってみたけど至って普通だった。

のそのそと仰向けになって私のおでこへ手を伸ばしたセフン。ぴた、と触れるとやはり眠たいからか彼の手は小さい子供のように温かくて。なんか私も眠くなってきちゃったなーなんて思っていると急にガバッと身体を起こした。え、何事？

突発的な行動にびっくりしていると、目の前が彼の美しいお顔でいっぱいになって。

次の瞬間、柔らかいものが唇に触れた。

キ、キス…

「あの時、本当はこうするつもりだったんです」

『え、ええ…マジ？』

「マジですよ。でも我慢しておでこにしました。
まあ正しくは自分の手の甲なんですけどね」

じゃ、じゃあ、あれは間接キスしてたってこと…？
いや、これって間接キスっていうのかな…？

ええ…？

「あとそれと同時に、ヌナが好きになってくれますようにって100万回唱えてました」

『うそ、あの短時間で？』

「僕早口言葉得意なんですよ」

ドヤァ、とキメ顔をするセフン。

うざいと感じる前にかっこいいと思ってしまった。