【長編】浪漫学園探偵団！七不思議の秘密 肆 ページ15
「――で、集まったのが君達というわけか」
「へへ！面白いメンバーになったでしょ」
並んだ子どもたちをざっと目で攫う。ある者は怯え、ある者は堂々と腰に手を当て、
またある者は隣に立つ人間の肩をがっしりと掴んで、昼より幾分ひんやりとした廊下に立っている。
中等部からは三人。言い出した張本人である日月兄弟、それから三年生の春野日和。
春野のほうは確か家庭科部に所属しているとかで、
やれ指を切ったやれ腹を痛めたとよく保健室に駆け込んで来る、よく見知った顔だ。
かわいそうに怯えきった眼差しで見つめるのは――篠宮先生？
「……この前藤原先生がありえんって顔で見とったテスト、
薄々気付いとるかもしれへんけど、春野のです」
「ああ、なるほど」
「ちょうど明日補習ですわ。お化けよりそっちの方を怖がって欲しいんやけど」
私の視線に気付いた篠宮先生が顔を寄せ、それとない耳打ちで答えを教えてくれる。
そこもよく見知った仲ということだろう。
……溜息混じりの横顔を見る限り、春野が期待しているような優しい手助けはありそうにないが。
高等部からも三人来ている。
一人は華道部の華園椿、一人はバスケ部の綾波瑛人。
すらりと高い背を持つもう一人は生徒会役員の一之瀬司だろう。
全員高等部三年ということもあり頼もしい――
と言いたいところだったのだが、そうとも断言できない雰囲気が広がっている。
「な……七不思議……って、大体怖い話……ですよね……はは…………はぁ」
「なにを怖がっていますの、一之瀬様ったら。
居るだけで何もしてこないユーレイなんて！
剣山のほうが刺すぶんだけ怖いというものですわ」
「そうだよ一之瀬くん！年上なんだから、ボクたちがしっかりしなくちゃっ」
「そ……そう、だよね……。が、頑張るよ……」
――意気揚々といったふうだが、見ているこちらとしては正直不安が残るメンバーだ。
萎縮しきっている一之瀬と、それを挟んで鼓舞する二人。
仲が良さそうなのは良いことだが、中等部の守り役を任せるにはどこか幼さが残っている。
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小春(プロフ) - 珈琲さん» 企画主様！閲覧ありがとうございます。（派生作品のご連絡遅れてしまってすみません……！） (2022年8月20日 18時) (
レス) id: fb7c2aa482 (このIDを非表示/違反報告)
珈琲(プロフ) - 描写が素晴らしすぎる…！「その赤は激情か」お気に入りです。 (2022年8月20日 17時) (レス) @page2 id: 3ddce89f00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小春 | 作成日時：2022年8月11日 21時
