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【長編】浪漫学園探偵団!七不思議の秘密 弐 ページ13



生徒の中のメンバー探しは意外と顔の広い日月兄弟に任せるとして、
私は私の“計画”に協力してくれそうな教師を探すことにする。

「保健室だより」のプリントと称してあまり訪れない職員室に足を運ぶと、
次の授業の支度を進めていると思しき立花先生に目が留まった。
鉛筆線の下書きの上に、ボールペンと定規でペン入れをしていると思しい。
その目前にはしっかりとパソコンがあるのだが、手書きの温かみ……というやつだろうか。
既成のフォントと遜色ないほどきっちりと完成されている字をぼんやりと眺めていると、
ふと立花先生が手を止め、こちら向きに顔を上げる。

「どうしました、藤原先生。
……プリントですか?小テストと一緒に印刷しておきましょうか」
「ああ――ありがとうございます、頼めますか。
ときに立花先生、生徒から夏休みの予定なんかを聞くことはありますか?」
「いや、あまり。遊びに誘われたり、逆に予定を尋ねられることはありますが。
……そういえば皆、どう過ごすんでしょうね」

ふむ、と軽く腕を組む立花先生に、声を潜めながら本題を切り出す。

「実はここだけの話、夏休みに入る前に、生徒向けに夜の学校探検イベントを催そうかと思っているんです。
健やかな心は健やかな経験から育つものですが、どうしても家庭では補えない部分もあるでしょう。
学生時代に経験した楽しい肝試し、という記憶は――
その後の彼らを、時に癒やすこともあるんじゃないかと」

「……成程。教師が主導する見学ツアー、というようなものですか。
面白い試みだと思います。……で、そんな素敵な企画にも関わらず、声を小さくしているのは」
「“思っている”と言った通りまだ構想段階でして、御上諸兄に許可を取っていません」
「そうじゃないかと思いました」

ちらと視線で教頭・校長を指すと、立花先生が予見していた通りだとばかりに首肯する。
「にしても、養護教諭としてはむしろ止めるべき事案なのでは」との鋭い問いが投げられて来て、
「いえ、だからこそ私が同行すれば有事の際も迅速に対応出来るかと思いまして」と咄嗟に返した。
実際はそれほど深いことを考えていた訳ではなく、日月兄弟に相談を受けたのが私だった、というだけなのだが。
立花先生は暫く思慮の時間を取ってから、こうしましょう、と切り出した。

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設定タグ:浪漫探偵 , 企画派生 , オリジナル作品
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小春(プロフ) - 珈琲さん» 企画主様!閲覧ありがとうございます。(派生作品のご連絡遅れてしまってすみません……!) (2022年8月20日 18時) (レス) id: fb7c2aa482 (このIDを非表示/違反報告)
珈琲(プロフ) - 描写が素晴らしすぎる…!「その赤は激情か」お気に入りです。 (2022年8月20日 17時) (レス) @page2 id: 3ddce89f00 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小春 | 作成日時:2022年8月11日 21時

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