【赤羽 業】私の先輩はクラスメイト2nd

４６個目の歯車 ページ8

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　何店舗か自由に出入りしてる私に文句も言わず着いてくる赤羽先輩に、先に根を上げたのは私だった。


「……つまらなくないんですか？」

「何が？」

「……だって、あんまり先輩に似つかわないと言うか……興味なさそうなお店ばっかりで」

「んー、でもほら、ちょっと浮かれてるAちゃん可愛いし」

「え、そんなに浮かれてないですよ。そりゃちょっと、物珍しくてキョロキョロしてる自覚はありますけど……」


　やたらニコニコしてる赤羽先輩から目を逸らす。これじゃ私が我が儘言ってるみたいで居心地が悪い。

　使う予定もないのに気になっていた簪を戻し、赤羽先輩に首を振った。


「……先輩、良かったら近くの甘味処行きましょ」

「え？」

「嫌いですか、甘い物」


　ぽかんとしていた赤羽先輩を置いてお店の外に出る。和小物専門のお店よりは時間が潰しやすいだろうと思ったけど、チョイス間違ったかなと後ろを振り返ると先輩が足早に出てきた。


「……俺の事気遣ってくれたんだ？」

「……まぁ、ハイ。つまんなそうにしてるとお店の人も嫌でしょうし」

「そんな事なかったけどね」


　しかし先程よりは、スマホをいじり場所を探す先輩は随分いきいきとして見えた。意外と甘い物好きなのかな。


「……俺Aちゃんのそういうとこ可愛いくて好きだよ」

「何ですか急にやめてください気持ち悪い」

「辛辣〜」

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