掴みたいもの2 【兵頭十座】 (ページ4)

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episode.3 ページ4

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－十座side－

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―生クリーム専門店をあとにすると、俺とAはせっかくだからと街の店を回った。

あ「ほら、十座。もう少し寄らないと。」

十「こ、こうか？」

今俺たちはゲームセンターのプリクラを撮っていた。

Aがせっかくだからと無理やり俺を連れて行ったんだ。

プリクラとか初めてだから、どうしたらいいか全然わかんねぇ...

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―あ「あはは、この十座すごい表情硬い。」

十「うるせぇ、あんまし見んな。」

プリクラを撮り終えると、俺とAは公園のベンチで休んでいた。

プリクラを眺めながら、Aは俺の顔を見て笑う。

あ「でも、嬉しいな。高校生の時って忙しくて、全然恋人らしいデートってできてなかったよね。」

十「そうだな...付き合い始めた頃は公演もあったし、すぐ受験だったからな。」

あ「...でも、今こうして十座とデートできて嬉しいよ。本当にありがとう。」

十「...たいしたことねぇよ。」

Aが笑顔で俺にそう言うと、俺は照れくさくなり顔を逸らす。

十「＿＿俺の方こそ、ありがとな。」

あ「ん...？何か言った？」

十「...別に、何も言ってねぇ。」

あ「えー！！嘘！隠し事なしでしょ！」

十「何も言ってねぇって。」

あ「嘘だー！」

十「ほら、暗くなる。そろそろ帰んぞ。」

あ「ちょ、十座待ってよー！」

俺はAをからかうように、ベンチから立ち上がり先に公園を出た。

Aは俺のあとを一生懸命追いかけるように走ってくる。

そんなAも、可愛くてしょうがなかった。

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