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episode.85 ページ25
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−十座side−
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ー俺は舞台でAと二人並んで座り、客席を眺めた。
あ「___明日で、本当に最後なんだね。」
十「嗚呼、あっという間だったな。」
あ「...明日の千秋楽が終われば、すぐに手術かー。本当に早いよ。」
Aは苦笑いをして嫌だなーというように話す。
十「...怖いんだろ？」
あ「...うん、怖い。すごく...」
俺がAを見つめると、Aは肩を震わせていた。
あ「___明日で、終わりたくない、なー...もっともっと、みんなと...十座と...
お芝居がしたい。」
十「...」
あ「...私ね、本当は、怖くて怖くて、公演が始まってから眠れてないんだ。
明日の千秋楽が終わって、手術をして...
それがもし失敗したら...千秋楽以降、もうみんなと会えないんだと思うと...
大好きなお芝居ができないんだと思うと...
____私、もっともっとお芝居がしたい...！もっともっと、みんなといたい...！」
Aはずっと抱えていた本当の気持ちを、俺に打ち明けてくれた。
俺の隣で泣き続けるA。
俺も、同じ気持ちだ。
俺は____！
十「___。」
あ「え___。」
俺はその場から立ち上がり、Aをそっと立ち上がらせ...
優しくAを抱きしめた。
あ「...十座。」
十「___俺も、同じだ。」
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作者名：紗也
| 作成日時：2018年5月21日 10時
