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−Aside−
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―私たち救護班はみんなが出発すると、大急ぎで準備をしていた。
私は急遽救護班の中で班を分け、後輩たちに指示を出した。
私たちの班は薬を調合していた。
「__Aさん、本当に量はいつもの壁外調査の3倍で薬を作ればいいんですよね?」
「でも、3倍もいりますかね。」
あ「__エルヴィンが言ってた。今回のエレン奪還作戦はたくさんの犠牲者が出るって。
私たちの想像を超えると思っておいた方がいい。
私たちは、運ばれてきた負傷兵を助けなければならない。そんな時に薬が足りなくなったら...救えない。」
私がそう言うと、後輩は二人で顔を見合わせ、頷きまた私を見る。
「Aさん、分かりました!」
「急いで作ります!」
あ「ええ、よろしくね。」
そして私たちは急いで薬を作っていった。
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―そしてあっという間に時間が過ぎ、夕日が出ていた。
あ「__できた。」
「間に合いましたね、Aさん。」
あ「うん、二人のおかげだよ。」
私は机の上に並べられた大量の薬瓶を見つめた。
「__やっぱり、いつもの3倍。多いですね。」
あ「でも、これで最悪なケースはきっと避けられるよ。」
「Aさん、Aさんの作ったこの薬...なんですか?点滴用ですか?」
一人の後輩は点滴用のビニールに入った私の作った薬を手に取る。
あ「これは、止血剤だよ。」
「止血剤?」
あ「__出血を止めるために、いつも大量のガーゼを使用してた。でも、ガーゼがいつも足りなくなってしまったから作ってみたの。
まだ...試作なんだけど。」
そう、この薬はまだ未完成品。
出血が酷いねずみやうさぎで何回かテストしてみたけど...6匹中2匹に副作用が出た。
人間には...試してない。
自信はないけど、そんなこと言っている暇ない。
あ「__今回はいろいろ試作品を使ってみようと思う。想定外のことが起こる可能性が高い。
でも、兵士を救うためにはやるしかない。
二人とも...手伝ってくれる?」
私は後輩をまっすぐ見つめる。
「__今更何言ってるんですか。」
「当たり前ですよ、Aさん。私たちになんでも言ってください。」
あ「__ありがとう。」
私が微笑むと、二人は微笑んで頷く。
__救える命は必ず救ってみせる。
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紗也(プロフ) - 明日さん» いつも本当にありがとうございます!これからも頑張ります♪ (2018年11月9日 16時) (レス) id: b1705a050e (このIDを非表示/違反報告)
明日 - これからも応援してます!! (2018年11月5日 15時) (レス) id: 09c1450ad5 (このIDを非表示/違反報告)
明日 - 続編おめでとうございます! (2018年11月5日 15時) (レス) id: 09c1450ad5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紗也 | 作成日時:2018年11月5日 10時